nineteenー過去ー ページ20
そんな日も、学校が終わってからすぐに、お兄ちゃんのお見舞いに行く気でいた
普段いるはずのない、大人の後ろ姿
どこか、見た事のある後ろ姿だった
大我「夏輝ちゃん！！」
大我くんの、後ろ姿
何度も見たはずだったのに、嫌な胸騒ぎがしてそれどころじゃなかった
目に涙が沢山含んでいて
体の全体が震えていた
大我「夏輝ちゃん、さっくんが…………」
その言葉を聞いて、担任の先生に何も言わずに、荷物も持たずに教室を飛び出した
外に出ると、先生が車を出して止まっていてくれてた
その車に乗って、私は、涙を堪え続けていた
たくさんの人が、お兄ちゃんを取り囲んでいた
そっと手を握ると、握り返してくれて
それだけで、涙が溢れた
大介「夏輝……今までありがとう…………本当に、大好きだよ」
『お兄ちゃん！！死なないでよ！』
大介「こんな頼りないお兄ちゃんでごめんね……泣かないでよ…………笑ってよ
最期くらい、笑顔見せて
夏輝の笑顔は……人を、笑顔にするチカラがあるの
ここにいるみんな、夏輝の味方、だから、
夏輝は、俺の分まで生きるの
これが、夏輝の生きる意味」
『…………笑えないよ……』
大介「だぁめ……笑、って、？」
『お兄ちゃん…………』
大介「その笑顔を忘れちゃダメだよ……俺の大好きな笑顔
夏輝…………
お兄ちゃんのこと、好きだった、？」
『大好きだよ…………』
大介「そっか……好きだよ…………夏輝………………ばい、ばい」
力尽きたように目を瞑るお兄ちゃん
笑うことが出来なくなって、涙が止まんなかった
私の鳴き声と、お兄ちゃんの友達のすすり泣きの声
そして、お兄ちゃんの心臓の音が止まった機械音だけが
静かなお兄ちゃんの病室に聞こえていた
あの時、大我に言われた言葉
『あと少し…………さっくん、いなくなる…………』
途切れ途切れの言葉に、必死に耳を傾けてた
なんとなく、あの日はそんな気がしてた
10冊にも及ぶ、お兄ちゃんと、私と、お兄ちゃんの友達のアルバム
最後のページには、みんなが笑顔の集合写真が貼ってあったんだ……
あれから、何年かたって
ふっかさんと舘さんは、夢を追いかけるため大学に進学した
私の勉強を見てくれたのは、先生だった
大我くんは、相変わらず私の家を出入りしてて
しょーたくんも、ひーくんも、変わらず仲良くしてくれた
そしてまた、私たちの運命の歯車が狂いだしたんだ…………
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 157人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さな(プロフ) - ほのさん» え、本当ですか！？気をつけてたんだけどなぁ……教えて頂きありがとうございます！ (2019年8月22日 13時) (
レス) id: d6e98db13a (このIDを非表示/違反報告)
ほの - ふっかの名前が辰也になっているんですが辰哉ではないですか？お話はとても面白いので更新頑張ってください！ (2019年8月22日 13時) (レス) id: 44252da1e9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：wwssseee | 作成日時：2019年7月4日 22時
