SNOW MAGIC（緑） (ページ4)

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『今、船降りたよ』そう連絡を入れようとして携帯を開くが繋がらない

スマホを隅から隅まで見ると、『圏外』という文字が書かれていた

「えっ…………」

帰る場所をなくした

今の時間もわからない

運が悪く、スマホの電源は直ぐに切れた

「どうしよっ」

この場所で日が明けるのを待つのは、難しい

凍死でもしてしまう

とにかく、歩く
歩いたらどこかに着きそうな気がした

深く深く積もっている雪

私たちの島とは違っていた

ある公園の、砂場
体の力を抜いて、後ろに倒れる

「んふふ笑」

1回やって見たかったこと

私たちの島では、到底できることがない
ほんの少しの睡魔に襲われて、目を瞑る

大きく息を吸って、吐く

そのまま、意識が遠のいていく感覚が体を覆った

ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ

体が包まれてる感覚
暖かい、誰かの温もり

「久しぶり…………かな？」

小さくて、掠れてて、低い声
聞いたことの無い声

なのに、どこか懐かしさが溢れた

まだ少し重たいまぶたをゆっくりと動かす

「………………」

数秒間、目が合う

逸らしたくても、何故か逸らせなかった

沈黙が伴う
何故か、心臓の音は早い

「えっと……ここって」

場所がわからなければ、どうすることも出来ない

ましては、知らない人
ここに居るだけでも迷惑なこと

「あぁ……俺の家」

平然と答えるこの人

「え！？」

「大丈夫、俺一人暮らしだから」

余計に変な緊張をしてしまう

誰もいないって言うことは、私とこの人はひとつ屋根の下なわけだ

「いやいやいや……」

「あはは笑なんにもしないよ」

笑った時にクシャってなる顔

心臓の音が一気に早くなる

どこかで見たことのある笑顔

「で、なんであそこにいたの？」

…………

思い出せない

あそこってまずどこの事を言っているのかがわかんない

「あそこ？」

「公園」

なんとなく、思い出してきた

確か、後ろに転がってその時に睡魔が襲ってきて……

気づいたらここの家にいた、
いや、拾われたって言う方が正しいのかもしれない

「えっと、眠くて寝ちゃってた、ていう感じですかね……？笑」

馬鹿らしい自分の言い分

「可愛い………」

なんて小さく聞こえた声は、聞かなかったことにしておこう

「お風呂、入って来な？」