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このための、喫茶店なのか

最近はやけにみんなが『好き』という言葉に敏感だ


こんな真面目な話、聞きたくない

ましては、阿部くんの『恋』の話なんて




「どう思う…………か、ですか?」




どう思うなんて、ひとつしかない
『嬉しい』っていう感情しかない


両想いに今すぐになれるものならなりたいし、
付き合えるのなら今すぐにでも付き合いたい




「いや、なんでもない!ごめん………………忘れて」




忘れることなんかできるものか


これだけ期待させるような言葉を言って置いて、
『忘れて』

なんて都合が良すぎる



忘れることなんか私には出来ない




「…………あっ、高校ってなにか部活に入ったの?」




「ば……バレー部、と、競技……かるた、部で悩み…ま、した」




「また微妙なかるた部笑」




「さ、最終的にはバレー部、ですけど…………」




「好きだったもんね、小学生の頃からバレー」




確かに、阿部くんの言うことはあっているのかもしれない


小学生の頃、たまたま春高の試合を見てそこで活躍して、
輝いている選手を見て、自分もこういう人になりたいって思った


それを見て以来、バレークラブに入って中学校の部活もバレー部を選んだ

もしかしたら、女の子らしく家庭科部なんて入ればよかったのかもしれない




「でも、春ちゃんらしくて良かった……」




「それって…………どういう意味……?」




バレー部以外の選択肢は私の中になんてなかった

あるわけなかった


むしろ、競技かるた部なんて興味がなかった

バレーがしたくてうずうずしていた




「んーん、なんでもないよ」




その優しさが嬉しかった



気付いたら樹が迎えに来てくれる時間

ミルクティーも、アイスコーヒーも飲み終わっている




「樹が、来ない」




なんて慌て始めたのは夜の8時

仕事が遅くなりそうな時は毎回連絡を入れてくれた


そして、樹と同じグループの人が迎えに来てくれてた
だからこそ、こんな遅い時間にもなって樹が来ないのは初めて



樹になんかあったのかなんて思うと気が気じゃない




「どうしよっ…………」




不安が一気に体を覆う

1人じゃ抱えきれないほどの大きな不安が




「樹…………樹、樹」




どうすることも出来なくて、ただただ頭を抱えるだけ

今は阿部くんも居ない
居るのは、店長だけ

あれから話は途切れて飲み物を飲んで別れた


樹が迎えに来ることを阿部くんは知っていたから

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設定タグ:SixTONES、田中樹 , SnowMan、佐久間大介 , SnowMan、阿部亮平   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:wwssseee | 作成日時:2019年6月3日 22時

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