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「昨日から…………おかしいの」




「うん」




「樹が……避けるの、それが辛い。
いつものメールと違う、適当なメールだった」




そう言って見せられる、春ちゃんの携帯のメール

一日の始まりと終わりにはちゃんと
『おはよう』『おやすみ、また明日!』

なんて言う言葉が添えられている


今日と昨日のメール

『癒夢、帰った?
今日ごめんね、迎えに行けれなくて』

なんて会話が昨日の最後


疲れていたとしても、たったの1文

直ぐに送れるだろう


『癒夢、今日大学行けれないよ。

雪がひどくて欠航になった。


明日から朝迎えに行かない、
ごめんけど、1人で港まで行って。

夜も今日みたいなことが続いたらいけないから一人で帰って』

なんていう文


『おはよう』の一言もない

腹が立っているのだろうか



だとしたら、何に?




「春ちゃん、春ちゃんは悪くないよ……
何もしてないんでしょ?春ちゃん」




「うん」




「何も悪くない、素直にならない樹が悪い」




素直…………

何に素直になるのだろうか……


とにかく、春ちゃんを元気づけれる言葉を探す




「ありがと」




頑張って微笑んでる春ちゃん

そんな張りつけたような笑顔、俺に見せて欲しくない


辛いなら、辛いって言ってほしい
悲しいなら、悲しいって言ってほしい

そんなことを言えるのはまだ当分先のことだろう




「あっ!春ちゃん、春ちゃん。
俺ね新しいアクロバット出来るようになったんだよ、見てくれない?」




「いいよ、見たい」




少しだけ、驚いた顔をする

前と変わらないその表情に胸がときめく


外に出て、バク宙を見せる




「す、凄い…………!格好良い……」




『あっ……』なんて顔をして少しだけ肩をすくめる

凄いって言葉は、前も言われたから慣れてたけど、
格好良いって言葉は、初めて春ちゃんの口から聞く


その言葉に、身体の体温が徐々に上がる




「雪、綺麗だね」




チラホラと降っていた雪は、どんどん強くなっていく



隣を見ると、瞳が輝いていて


でも、身体は震えていた




「寒いね…………」




その言葉の返事を春ちゃんはしなかった


ずっと、空を見ていた
純粋なその瞳で


もし、春ちゃんのその純粋な瞳を汚すことが出来るのなら、
その瞳を汚したい、俺の手で




「あと1時間くらいしたら、また外に出よ?」




「うん」

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設定タグ:SixTONES、田中樹 , SnowMan、佐久間大介 , SnowMan、阿部亮平   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:wwssseee | 作成日時:2019年6月3日 22時

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