今ここに降り積もる雪をあなたは見ていますか？(少年忍者) (ページ9)

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「…翔湊……私死なないからさ、笑って…」

「そうだね、姉ちゃんちゃんと俺の近くにいるよね」

涙を隠すように拭ったあと、私がいつも見ている笑顔で笑いかけた。

その笑顔、私が一番好きなの。
そんなことを知ってるかのように、笑うんだ。

「翔湊くん、」

「皇輝くん…んじゃ、姉ちゃんまた明日来るからね！」

「夏輝、明後日には来れるから……ごめんね、毎日来れなくて」

「お父さんも…お母さんも……仕事、で忙しいでしょ」
「翔湊が……来てくれる…だけでも…嬉しい、から」

「ありがとう、」

精一杯の笑顔を見せられる。
ほら、親なんか私の事要らないなんて思ってるんだよ。

「夏輝ちゃん…」

さっきまで翔湊が座っていた位置に彼が座る。

翔湊とは違う不思議な安心感があってどこか落ち着かない。

私の手を握ろうとして、そっと手を引っこめる。
少し苦しそうな瞳で私を見て、そっと笑った。

話すことなんて彼は思いついてないんだろうけど、私のそばに居てくれるだけでどこか嬉しい。