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「やだよ…姉ちゃんが死んじゃうなんて……やだよ」
泣いている翔湊をどうやって慰めてあげればいいのかわからずに、そっと握ってある手を握り返した。
肩を震わせて小さく泣いている父を見て、何だか情けなく感じた。
家ではあんなに大きく意地を張っていた姿しか私の記憶の中にはなかった。
「………夏輝ちゃ、」
彼がやってきた。
昨日言った通り、ちゃんと来た。
でも、私のこの病室の異様な空気感に気がついたのか、元気な彼の声が一気にしぼんで行く。
「皇輝くん……」
私の名前を呼んだ声に翔湊が気づいて顔を上げる。
お母さんもお父さんも。
あ、ごめんなさい。って深々と頭を下げた彼にお母さんとお父さんが近づく。
3人で軽く何かを話した後、翔湊、夏輝と一緒にいてねって言ってどこかへ行った。
彼を連れて。
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作者名：wwssseee | 作成日時：2020年8月1日 23時
