腐男子です。

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シウくん side



ばかですか。

テヒョンイヒョンは、ばかなんですか。


傷つけた、って…ひどすぎるでしょ！！

練習なんて言ってAヒョンに触って、

挙句の果てに忘れたフリ！！？

覚えてるくせに！


怒られるのも当たり前です。

なんでそんなに不器用なんですか、





「まあ過ぎたことだし、俺も意地張りすぎたかな」


「え、」


「仕事にも支障出るくらいなら…会いに行こうか」


「ゆ、許せるんですか」





Aヒョンの中では、

テヒョンイヒョンはAヒョンにジミニヒョン重ねてる、ってことだよね。

え、そんな最低なことダメだ。

えっちなことは好きな人としかしちゃだめ、って。


テヒョンイヒョンは本当はAヒョンのことが好きなんだよ、

って言いたい。

ジミニヒョンなんてただの言い訳に過ぎなくて、Aヒョンが大好きなんだよ。


でもこれを言うのは僕の仕事じゃない。





「ジミンさんとテテ…クオズね。最高かよ」


「え」


「そこが引っ付いてくれるんなら腐男子として本望だわ」





嘘だ。

嘘つかないで。


なんでそんな悲しい顔して言うの。

本当はそんなこと思ってないでしょ、Aヒョン。





「…嘘ですよね」


「ん？」


「それでいいんですか、テヒョンイヒョンが誰かとなんて、」


「…いいんだよ、別に」


「いやだ、いやです、Aヒョン苦しそうです」





Aヒョンはすごい優しい人だ。

他人のために自分を犠牲にできる人。

自分を抑え込んでしまう人。


そんな人だから、不幸になってほしくない。





「テヒョンイヒョンのこと、どう思ってるんですか」


「…テテ、」


「そうです、テテです」





なにか、まだ我慢してるんでしょう。

押し殺して無かったことにしよう、なんて。

そんな簡単にできるわけ…ていうかできてほしくない。


これ以上Aヒョンを殺さないで。





「…ずっと、モヤモヤしてるんだ」


「……」


「テテのこと考えると、苦しいし悲しいし泣きたくなる」


「Aヒョン、」


「分かってる、気づいてる、でも言葉にしたくない」





僕の前でボソボソと話すAヒョンは、すごく小さく見えた。





「気づいた瞬間に、終わってたんだ」


「……」


「こんなに苦しいもんだっけ…失恋って」





はは、って力なく笑ったAヒョン。


すれ違いすぎ、2人して恋愛下手くそ。

もう、早く会って誤解といて、

次会うときには幸せそうな2人を見せて。

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