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TH side
Aが出て行ってシーンとした部屋。
クゥン、
タナが鳴いてる。
「うぅっ、覚えてるの、ほんとは、っ」
床にしゃがみこんで俯けば、涙がぽたぽた落ちて濡らした。
もう欲張りにはならないようにしたんだ。
これまでと同じような関係で、
Aの友達としての1番になることに尽くそう。
好き、って気持ちに蓋をしようとした、のに。
気になるのはAは俺のことを嫌いになってないか。
俺はAに手出したのを忘れてることになってるし、Aは優しいし、
そんな状況に甘えて俺は自分が安心するためにあんな質問した。
“俺のこと、嫌いになった…？”
「自分勝手…だ、」
Aに言われた言葉がグルグルする。
Aが1番苦しいはずなのに。
俺が全部起こしたことなのに。
なんで俺は自分のことでいっぱいいっぱいになって、Aのこと考えれてないの。
ばかじゃん、1番大事にしないといけない人なのに。
「タナ、ごめん、どうしよ…っ」
ぺろぺろ俺の手を舐めてるタナ。
タナだって呆れてるに違いない。
ずっと俺らの近くにいたんだから。
Aは、ずっと隣にいてくれないとダメだ。
「謝んないと、」
早く、早く。
机に置いてあったスマホを手に取り、1番上のAの名前を押す。
いつもだったら、3コールもすれば出てくれる。
でも、何コールもしても出ない。
ああ、追いかけた方が早かったかも、
そんなこと思ってももう遅い。
「ばか、俺のばか、」
全部、今までのこと全部打ち明けて、
昨日のあれを覚えてることも、Aのこと大好きなことも、
全部言って、謝りたい。
許してくれないのも分かってる。
Aはきっと俺から離れてくことも。
嫌われることに怯えて何にもしなかったから、
卑怯なことばっかしたから、
今こんな最低なことになってるんだ。
どうすることも出来なくて、ふらふらとソファーに倒れ込む。
ソファーにうつ伏せになって思い出すのは、昨日のAのかわいい顔。
全部、昨日の俺のせい。
そして、今日の朝の俺のせい。
壊れちゃったよ、Aとの今までの全部が。
目をうるうるさせて俺に怒鳴るさっきのA。
ああ、そんなに追い詰めてたんだ。
Aの泣き顔なんて見たことない。
怒った顔も見たことない。
俺、Aについて全然知らないんだ。
これで何が1番の友達だよ。
1番、最低なヤツだろ…。
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リト - とても大好きな作品が見つかりました！他の作品も全て漁ります☀︎ (2022年4月13日 22時) (
レス) id: 2df230b8f3 (このIDを非表示/違反報告)
sumiko(プロフ) - 素晴らしく良かったです。ご馳走様でした！！ (2021年3月5日 23時) (レス) id: bc2f027781 (このIDを非表示/違反報告)
きよ - 更新ここまでほんっっっとにお疲れ様でした！これからも頑張って下さい！ (2021年3月1日 21時) (レス) id: dec5fc1270 (このIDを非表示/違反報告)
sumiko(プロフ) - うわぁ。もう、続きが楽しみ〜。(≧◇≦) (2021年2月28日 23時) (レス) id: bc2f027781 (このIDを非表示/違反報告)
taitaitai_123(プロフ) - とても続きが気になります！更新楽しみにしてます！ (2021年2月21日 17時) (レス) id: 02fd041d28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らぐまっと
| 作成日時：2021年1月2日 10時
