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今日は日曜日。
だから学校はない。
だけどお昼から、ライブハウスでライブ。
今日もすばくんにギターを弾いてもらって
章ちゃんに車で連れてってもらって。
お客さんも増えるようになってきた。
『初めましての方も、楽しんでってくださいねー!』
私が煽ると、レスポンスが返ってくる。
人前に立つのが苦手な私だけど、
だんだんMCにも慣れてきた。
『じゃあっ、歌います。聞いてください』
目を閉じて、しっとり歌う。
前、ライブハウスやし興味ないけどもっとガツガツしたロック歌う、って言ったら
すばくんに自分の好きな歌歌え、って止められた。
お前は綺麗な声やから、しっとりしたの歌ってる方が聞いてて気持ちいい、って言ってくれた。
ライブハウスにはちょっと不似合いかな、なんて思うときもあったけど
すばくんが言ってくれたことやし、誇りに思う。
目を開け、視界に入ったのは、
お母さん。
しかも泣いてる……。
あれ、私ライブのこと言ってないのに…。
あれ、でも信ちゃんと会っとったし、
その時言うたんかな?
んま、ええわ。
『ありがとうございましたー!
この後も楽しんでってください!』
客席に手を振りながら見ると、お母さんの姿が見当たらんくなってた。
まだ始まったばっかやのに帰っちゃったんかな?
裏へはけ、スタッフさんに挨拶を交わしながら
客席へ降りる。
あのことがあってから、祐也さんは一回も顔を出さんくなった。
多分、オーナーが辞めさしたんやろうな。
章大「お疲れさーん^^
今日も良かったで!」
『ふふ、ありがとう』
すばくんのステージが始まり、さっきとは違ってお客さんが飛び跳ねたり、叫んだりして盛り上がってる。
章大「……それにしてもあの人、なんで来てたんや…?」
章ちゃんがボソッと言った言葉は、歓声にかき消され、私の耳に届くことはなかった。
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横山隆平 - とても気に入りました★最後の展開想像しませんでした。。。まぢなきしちゃいました(。>д<) (2014年9月23日 0時) (レス) id: 2a7d0e1b67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちぱぱ | 作成日時:2013年12月13日 1時