予想外 ページ13
「何でこんな所にいるの蛞蝓!?何、マフィアって暇なのかい!?」
「あァ"!?任務帰りだこの青鯖が!手前みたいに暇じゃねえンだよこっちは!」
『……』
______ほら、矢っ張りこうなると思った。
真逆こんな所に、ポートマフィア五大幹部様がいるとは。
私は中原さんを見るのは初めてだが、この人の事は太宰さんに教えられている。
そういえば、私に説明する時も「蛞蝓」と云っていたのを思い出した。
身長は太宰さんと大分差があるが、顔は綺麗に整っていて、空を溶かした様な瞳が綺麗だなんて思ってしまう。
中原さんは私を一度瞳に映し、ギョッとした顔を見せた。
「ッな、手前真逆太宰の女か!?」
『は!?』
その時、私は瞬時に理解した。
______そうだ。
私は太宰さんの入水を止めようと、腕を引っ張ったまま歩いていた。
そんな時に、この人と偶然会ってしまったから。
『ち、違います!私は太宰さんの部下で―――』
「うふふ、この子は私のお嫁さ」
『太宰さんは黙ってろ!』
「ついに敬語が抜けた!?ってイタタつねらないで痛い!!」
そんな私達の云い合いを、中原さんは頭が痛そうな顔をして見ていた。
溜息を一つ吐き、
「手前も苦労してんだな…。んッとにこんな糞みたいな上司持って可哀想に思えてくるぜ」
『中原さんっ…!』
「ねえ一寸!?何でAちゃん目輝かせてるの!?」
中原さんの苦労もよく分かった気がした。
『双黒』と呼ばれていたのに、実際に会わせてみたら仲は最悪だし、呆気にとられてしまう。
折角見た目はいいのに、太宰さんは仕事をしない所と変な趣味によってぶち壊している。
玉に瑕どころか致命傷となっている事をそろそろ本人は気付くべきだと私は思う。
中原さんは舌打ちをして云った。
「これ以上クソ太宰の顔見てると腐るぜ。じゃあな」
『は、はあ…さようなら』
「もう会わない事を祈るよ蛞蝓」
______予想外の人物と別れ、私達はまた探偵社へ歩く。
太宰さんは少し不機嫌そうな顔をしていた。
社まであと少し、その時。
そんな"予想外"はまた訪れるそうで。
――――甲高い、女の人の悲鳴が響いた。
悲鳴の元へ向かい、全力で走る。
其処にいたのは一人の女性と、その目線の先にいたのは――――、
"刃物を持ったフードの男"。
「Aちゃん!任せた!」
『任せれました!太宰さんは女性の手当てを!』
―――任務開始の、鐘が鳴る。
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お湯(プロフ) - のりばやしさん» またコメントありがとうございます…!感動してくださったならなによりです!新作も頑張ります(*´`*) (2018年8月9日 19時) (レス) id: 2451ee7fcd (このIDを非表示/違反報告)
のりばやし(プロフ) - もう一度失礼します!!完結おめでとうございます!!めちゃくちゃ感動しました!!話の終わらせ方が素晴らしい!!新作待ってます! (2018年8月9日 18時) (レス) id: 450ab9bd17 (このIDを非表示/違反報告)
お湯(プロフ) - のりばやしさん» そう言ってくださり嬉しいです!ありがとうございます〜!! (2018年5月24日 18時) (レス) id: 2451ee7fcd (このIDを非表示/違反報告)
のりばやし(プロフ) - 話の展開と語彙力に心を動かされます。更新頑張ってください!!(*^ω^*) (2018年5月23日 19時) (レス) id: 450ab9bd17 (このIDを非表示/違反報告)
お湯(プロフ) - すばるさん» 返信遅くなって申し訳ございません…!!ありがとうございます!!可愛い太宰さん、いいですよね…!(*´▽`*) (2018年2月23日 20時) (レス) id: 2451ee7fcd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お湯 | 作成日時:2017年10月9日 18時