初めてな ページ11
初めてのおつかい、と云うには些か、否、可也に幼く余りにも幼稚すぎるが、然も初めてではないが、ここ迄に酷いおつかいは初めてだ。
初めてのおつかい、というか、初めて"な"おつかいだったのだ。
それはもう、云いだせば尽きない言葉が思い付くが、尽きない言葉を無理矢理に纏めて一言にすれば＿＿＿＿
混沌。(カオス)
いくら相手が太宰さんとは云え、ここ迄になるとは思わなかった。
太宰さんの姿が見当たらないと思ったら別の場所で綺麗な女性に心中を申し込んだり、自 殺に使えそうなロープをカゴの中へ入れてきたり。
兎に角もう、引っ掻きまわされたものだ。
只でさえ買い物に行く前の道で、「いい川だ」なんて云って飛び込もうとするのだから、私はそれをドロップキックをして防いだ。
…それだけでもう、私は此の儘置いて一人で行こうと思ったくらいなのに。
だが、なんやかんやでメモに書いてあったものは大体買え、残るのは最後に書いてあった、コピー用紙とインクカートリッジ(マゼンタ)のみとなった。
主役の珈琲豆も無事に買えた。
太宰さんはやっとこ大人しくなり、漸くちゃんとおつかいに付き合ってくれている。
それはそうだ、これ以上何かまた仕出かすと太宰さんが私に任せていた仕事を押し付け返すぞと脅したからである。
そんな事で、私達は例の物が置いてあるコーナーへ向かい、商品を探している。
『えーっと…マゼンタ、マゼンタっと…あ、あった』
「コピー用紙も見つけたよ。サイズ合ってるよね？」
『はい、合ってます』
そう云ってカゴの中へ。
カゴ持ち担当は当然太宰さん。
これでもう、頼まれたの物は全部だ。
平日の昼間という理由なのか、この場所に人は少ない。
二人の靴音がレジへ向かう途中だった。その時だ。
太宰さんの携帯が、けたたましい音を出して鳴った。
画面に表示されたのは、国木田さんの名前。
応答ボタンを押し、国木田さんからの電話に出る。
「もしもし、国木田君？如何したんだい？」
電話越しでは、国木田さんの声はよく聞こえない。
「…うん。――そう、分かった」
それから暫くして通話は終わった。
太宰さんは携帯をコートのポケットへ仕舞った後、私の方へ振り向き、
「Aちゃん、国木田君から。
ここ近くで、ナイフを持った、黒いフードを被った男が彷徨いているのが目撃されたらしい」
『物騒な世の中だなあ…』
そんな訳で、嫌がりながらも私達は急遽予定変更。
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お湯(プロフ) - のりばやしさん» またコメントありがとうございます…！感動してくださったならなによりです！新作も頑張ります(*´｀*) (2018年8月9日 19時) (
レス) id: 2451ee7fcd (このIDを非表示/違反報告)
のりばやし(プロフ) - もう一度失礼します！！完結おめでとうございます！！めちゃくちゃ感動しました！！話の終わらせ方が素晴らしい！！新作待ってます！ (2018年8月9日 18時) (レス) id: 450ab9bd17 (このIDを非表示/違反報告)
お湯(プロフ) - のりばやしさん» そう言ってくださり嬉しいです！ありがとうございます〜！！ (2018年5月24日 18時) (レス) id: 2451ee7fcd (このIDを非表示/違反報告)
のりばやし(プロフ) - 話の展開と語彙力に心を動かされます。更新頑張ってください！！(*^ω^*) (2018年5月23日 19時) (レス) id: 450ab9bd17 (このIDを非表示/違反報告)
お湯(プロフ) - すばるさん» 返信遅くなって申し訳ございません…！！ありがとうございます！！可愛い太宰さん、いいですよね…！(*´▽｀*) (2018年2月23日 20時) (レス) id: 2451ee7fcd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お湯 | 作成日時：2017年10月9日 18時
