呪いの王となる前の。【宿儺】

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sideA




私は、御三家や椿家、そして父上の都合のいい駒として扱われるのがもう嫌だった

全部あいつらの、言いなりになって思い通りになるのが気に食わなかった




だから
私は両面宿儺の味方に付いて、あいつらを困らせてやろうと思ったのだ






だけど、今の私に

そんな思惑は、頭の片隅にもなかった






ただ純粋に…両面宿儺、彼を美しいと思った
その逞しい体も赤色に輝く瞳も纏わせる殺気でさえ、
全て洗練され尽くし、美しい






彼の御側に仕えたい。
彼と、宿儺様と同じ時を過ごしてみたい





心の底からそう思った。









しばらく保おけていた私の意識を戻したのは
宿儺様の声だった


宿｢…貴様、何を言っている。この俺を…恐るどころか、美しい？気でも狂ったか？？｣

嘲笑気味に言う彼



貴(あぁ、やはり美しい)









貴｢いえ、本心です。私は貴方様に心惹かれてしまいました。命が惜しくて言った言葉でも、もちろん気が狂ったわけでもありません。
どうか、貴方様の御側に置いて頂けないでしょうか｣



あの美しい目を真っ直ぐに見て言った




どんな反応が帰ってきても後悔はない

何なら、殺されてもいい。

もちろん、御側に居られたらそれ以上嬉しいことは無い。

だけど、今の私は殺されていいと思えるくらいには、この人生に感動している。



宿儺様と出会えたこの人生に。









宿｢ケヒッ、ァ ハ ハ ﾉヽ ノヽ！｣




貴｢っえ？｣




宿｢この俺に心惹かれたと！！クックッ、面白い！！
いいだろう。俺の側にいることを許可しよう！｣

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