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貴｢好き、なんです…｣
宿｢！｣
貴｢宿儺様は、私を、従者としてこの屋敷に置いてくださっているというのに、私は…｣
私は涙を流しながら言った
貴｢私は…それ以上を、望んでしまうのです｣
宿｢…｣
貴｢そんな、ことを、思っていると知られたら、当然今まで通りにはならないと…最悪は屋敷を追い出されるかもしれないと思って、｣
宿｢A、｣
貴｢それで、自分の気持ちを整理して、宿儺様への気持ちを抑えるために…私は、宿儺様を避けて｣
宿｢A！｣
貴｢！｣
宿儺様は強く、けれど優しい声で私の名前を呼んだ
ハッとなって顔を上げると、宿儺様と目が合った
私の視界は涙で歪んでいたため、良くは見えなかったが、少なくとも怒っているようではなかった
宿儺様は、私の顔に手を添わせ、親指で涙を拭って下さった
宿｢…お前は、俺がそんなことでお前を手放すと思っているのか？｣
貴｢ぇ？｣
それはどういうことなのか…
それを尋ねようとしたが、宿儺様は急に何やら考え事を始めたようだったので、私は黙って次の言葉を待つしかなかった
宿｢………従者という肩書きを無くせばいいのか？｣
貴｢え？｣
宿｢従者でさえなければ、お前が俺を避ける理由は無くなるのだろう？｣
貴｢え？！で、ですがそれでは、私がここに居られる理由が！｣
宿｢お前がここに居るのに、理由はもういらん。｣
貴｢え…｣
貴(それって…)
宿｢どうしても理由が必要ならば、『俺がお前を求めるから』。それでは足りんか？｣
貴｢！！！！｣
貴(宿儺様が……私を？)
足りないわけがない。むしろ身に余る幸せだ
こんなにも、幸せになっても良いのだろうかと、不安になるほど
一度引いた涙がまた流れた
だが、今度の涙は、先程の涙とは別物だった
宿｢おい、もう泣くな。目が腫れるぞ｣
宿儺様はまた私の涙を拭って下さった
私は、顔に添えられた宿儺様の手に、自分の手を重ねた
貴｢…足りないわけが、ありません｣
宿｢そうか｣
貴｢私、こんなに幸せでも良いんでしょうか｣
宿｢俺が許可しよう｣
貴｢フフッ、ありがとうございます｣
私は宿儺様の手の温もりを頬に感じながら、目を閉じ、この幸せな瞬間を噛み締めた
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たわし - 尊い、、、。ぬふ、ぬふふ (2021年3月7日 14時) (
レス) id: 6472def61e (このIDを非表示/違反報告)
さとる - 尊い泣ける (2021年3月7日 13時) (レス) id: 63ad36ada3 (このIDを非表示/違反報告)
yu(プロフ) - 一気読みしました！！すごいおもしろいです！！ (2021年3月6日 22時) (レス) id: 96a71449d3 (このIDを非表示/違反報告)
三隣亡 - とても面白いです！！これからも頑張ってください！続きを楽しみにしてます！ (2021年3月4日 3時) (レス) id: 9280cade43 (このIDを非表示/違反報告)
猫人形 元猫耳ｱﾔﾂﾘ人形 (°∀° )(プロフ) - こういうの読みたかった！書いてくださりありがとうございます…> < 読んでいてとっても楽しいです！更新楽しみにしています！ (2021年2月17日 6時) (レス) id: d4943c1156 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わさ | 作者ホームページ：http://sakikoni0708
作成日時：2021年2月13日 0時
