呪いの王となる前の。【宿儺】

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side宿儺

宿｢A、お前は独りではないのだぞ｣


俺がそう言うと、Aはボロボロと涙を流した



宿｢な、なぜ泣く｣

貴｢すみません、これはその、嬉しくて｣



宿(嬉しくて、、？
人間は嬉しくても涙を流すのか……)



宿｢そうか…なら、

その涙は、拭う必要はないな｣


俺は涙を拭う代わりにと、Aを胸に抱き寄せた

Aは、細く小さい
俺が普通に抱き締めれば壊してしまいそうな程に。

だから壊してしまわぬように、そっと、慎重に抱き締めた


するとAは余計に泣いてしまい、本当にこれで良かったのか一瞬不安になった。

しかしAは、子供のように泣きながらも強く強く俺を抱き締めた。
俺の存在を確かめ、そして決して離さないというように強く抱き締めた。








宿(おそらく、幼少の頃から、何もかも全て独りで背負ってきたのだろう。
他人に頼るまいとするのも、その頃の環境に影響されたせいだろう。)


Aが生まれて初めて縋り、頼る者が、他の誰でもない俺だということに、何とも言えない優越感を感じた





貴｢ｳｯ…ｽﾞﾋﾞ、ゴホッゴホッ……ｸﾞｽﾝ、ゴホッ｣


宿｢A、もうそろそろ横になれ。｣


貴｢…………ーーに、…です｣

宿｢ん？｣









貴｢傍に……居て欲しいです、｣

宿｢！

ﾌｯ…あぁ、分かった。傍に居よう。｣

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