呪いの王となる前の。【宿儺】

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side宿儺


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宿「帰ったぞ」

「…………………A？」


帰宅し、入口の扉を開けると、
いつもは返ってくるはずの返事が返ってこなかった。

不審に思い、名前を呼んでも、やはり返事はない。



宿(外に呪力の痕跡や戦った跡もあった。おそらく、また侵入者が来たのだろう。だが、Aはそこそこに強い。簡単にやられるような女ではないはずだ)


そう思いはするが、この異様な状況に冷や汗は止まらなかった。









Aがこの屋敷に来た時に俺が与えた、あいつの部屋へと向かった

自然と歩く足は速くなる







しかし、部屋に近づくと中から物音が聞こえてきた

俺はAの存在がここにあることに安堵し、歩く速度を緩めた。








部屋の前に着くと、扉を勢いよく開けた


宿「A、探した、ぞ……………」

貴「あ…、す、宿儺様、おかえりなさい」

そう、少し困った顔で言うAの腹は、痛々しい程に青黒く変色していた。
おそらく骨が何本も折れているだろう。




何故、どうして、誰に、



気になることは山ほどあったが、俺はそれらを全て後回しにした。


腹に包帯を巻こうとしているAの手を掴み、一番損傷が酷い所に手を当てる

貴「っ！！宿儺様、」

宿「黙れ」






自分でも、どうしてこんなに腹が立っているのか分からない。

だが、ありとあらゆるものに、無性に腹が立って仕方がなかった。

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