03頁目―絵― ページ3
おずおずと其れを被ると頭にぴったりはまって
出っ張りは耳の位置にある。
暖かい。
でも日本ではこんなの見たことない、雪国に住んでいる人が
被ってたりするのかな。
色々考えながらニャーちゃんを抱きしめる。
するとしつこく触られるのが嫌だったのか突然腕の中で暴れだした。
マフラーに爪を掛けられそうで怖いので、腕を伸ばして
ニャーちゃんの手が届かないようにする。
蒼い目でじっと睨まれ、流石に地面に降ろそうとした───。
「それ、ぼくのです」
いきなり横から誰かに声を掛けられ、ギョッとしてしまい
ニャーちゃんから手を離してしまう。
軽やかに着地してニャーちゃんは何処かに行ってしまった。
その間、私はまじまじと声を掛けられた人を見ていた。
男の人なのだろうが、女性と言われても
疑わない程の綺麗な人。
クラスの女子が見るとキャーキャー騒ぎそうだ。
「えっ、えっと…」
「あの、貴方が被っている帽子は…ぼくのだと」
帽子…?
「………あっ!す、すみません。すみません!」
完全に被っていたことを忘れていた。
すぐさま、頭からふわふわの帽子を取って
男の人に手渡した。
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作者名:わたあめ信者。 | 作者ホームページ:http://wataame
作成日時:2023年1月20日 20時