贈り物 ページ16
彼女はそのまま、続けて手紙を読み上げた。
「あと、大崎さん。…え、私？」
ただ、文中に突然自分の名前が挙がったことに
少しだけ驚いたようだ。
「例のものを…頼みます、って。」
「え…。」
「まるで、私が読むことを最初から分かっていたみたいじゃない。」
…ということは、私の目が見えないということを
彼は勘付いているということだろうか。
まぁ、この間の電話であんな切り方をしちゃったし
手術のリスクの話も彼にはしていたし
不自然なことではない…かもしれないけど。
「あの、例のものって…？」
「…実はね。彼が退院する前に、預かっていたものがあるの。あなたに退院の目処がついたら渡してほしい、って。」
そう言うと、彼女は部屋の隅にあった黄色い何かを持ちあげた。
あれは多分、大崎さんが部屋に来るときに時々持ってくる黄色いクリアファイルだろう。
その中に色々な資料やら何やらが入っているのだ。
「…これ。」
彼女は、その中から何かを取り出して私に握らせた。
小さくて、普通の紙よりも少し固い。
触れただけでは、それが何かは分からなかった。
「これは…？」
「FFIの決勝戦のチケットよ。まだ販売されてないけど、家族や友達に配れるように、希望した選手にだけ無償で配布されるんだって。」
家族や、友達に＿＿＿＿。
私は
彼のトモダチ、なのだろうか。
「それから、これ。」
次に手に渡されたのは、プラスチックのような感触の四角いカードだった。
「これ、イレブンライセンスって言うんだって。彼の名前が書いてあるから、それがあなたに見えないように裏面にしてケースに入れて渡してって言われてたの。お互い、名前は言わない約束だからって。」
そうか、
それで彼女はそのことを知っていたというわけか。
「これはフットボールフロンティアのライセンスで、FFIのとは種類が違うから今大会ではいらないんだって。でもカードの管理システムが同じだから、それさえあれば選手の控えエリアに入れるって言ってたわ。」
「そ…そんなこと言ったって。私、行けないですよ。だって…。」
「いいえ、行くの。」
「え…？」
「行くのよ。あなたは。」
彼女の語気が、心なしか強くなった気がした。
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やっさん(プロフ) - もちまる。さん» 素晴らしい内容です。夢主さん、良かったですね(^o^)v。しかし、人生の本当の勝負はこれからですぞ〜(^^) (2020年10月27日 20時) (
レス) id: fd24bdc7a6 (このIDを非表示/違反報告)
一郎太と士郎が好きな者♪リン(プロフ) - 何か今更感溢れてるんですけど、完結おめでとうございます！(一年ぐらいたってるのにww) 私が占ツクを始めるきっかけとなったこの作品。 完成度が高くて、私もこんな作品を書けるような作者になりたいです！ ありがとうございました！！ (2020年4月22日 1時) (レス) id: e6fb3fbc8a (このIDを非表示/違反報告)
きらら(プロフ) - やーだもう…青春…たまたま見つけて流れ読みしてきたら3時間前に完結してたんですけど…完結おめでとうございます！ (2020年3月30日 3時) (レス) id: 36a6836253 (このIDを非表示/違反報告)
shoto(プロフ) - もっと評価されるべき。最高。こんな最高な作品と夢主ちゃん、野坂君を書いてくれて本当にありがとうございます。 (2020年3月29日 22時) (レス) id: ef163209c8 (このIDを非表示/違反報告)
ユキウサギ - とても良かったです！！！！ 野坂さん最高ッス！！！！！！！！ (2020年2月27日 22時) (レス) id: ce069fbf80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちまる。 | 作成日時：2019年4月27日 23時
