玖 確固たる意志 ページ10
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『…っ、俺も…鬼狩りに貢献します。ですからどうか、鬼殺隊への入隊を検討していただけないでしょうか…!』
「ふざけるな! あんな態度のあとでそんなことが罷り通ると思うなよ」
『…重々承知しております。ですか、曲げるつもりはありません』
地面に頭をつけ、懇願した。
断られることなどわかりきっている。
それでも、簡単には引き下がれない。
「Aは意志を示した。皆も異論はないね?」
「ですがお館様! これでは納得できません!」
「…………なら、納得できる判断材料がありゃいいんだろォ」
「…どういう意味だ」
「……お館様、失礼ー仕まつる」
襟首を掴まれ、後方へと引きずられる。
手が離されたあと、刀を投げて寄越された。
「構えろ。テメェが傷ひとつでもつけられたら入隊を認めてやる」
『…刀はお使いにならないのですか?』
『必要ねェ。さっさとしろォ』
刀なんて握ったこともない。
けど、やらなければ話が進まない。
唾を飲み込み、意を決して刀を鞘から抜き取る。
現れた刀身は綺麗な緑色だった。
刀を構える手が震える。
どうしても刀を振ることができない。
震える手に気をとられていたせいで気づけなかった。
彼が目の前まで迫り、足を振り上げていることに。
膝で腹を蹴り上げられ、鋭い痛みが走る。
『……がっ…! …げほ、……げほっ…!』
「どうした、テメェの覚悟ってのはそんなもんかァ?」
『…けほっ、……ち、が………う゛ぁっ!』
何度も蹴られ、地面に転がる。
痛い。意識が飛びそうだ。
「立て!! 甘ったれてんじゃねェ!!」
こんなところで寝ている場合じゃない。
自分が兄の意志を継がなければ。
震える足で立ち、刀を構える。
刀の振り方なら知っているはずだ。
あの日、兄の戦う姿を見ていたのだから。
間合いを詰め、刀を振り上げる。
もっと早く。もっと早く。
どうしてこんなに早く動けるのかわからなかった。
ただ今は、目の前のことに集中するだけでいい。
息を深く吸い込み刀を強く握り直す。
地面を蹴り、刀を前へ突き出した。
刃先が僅かに彼の頬を掠めた。
当たった。そう思い足を止めた瞬間、一気に肺が苦しくなった。
『……はっ、! …は、! ……はー、…はぁ…』
「………来い」
『…うわっ、…!』
先程いた場所まで引きずられ、刀を取り上げられる。
首をさすりながら顔を上げると、全員がこちらを見ていた。
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S,JSB,K(プロフ) - K.yさん» コメントありがとうございます。今回は変更したい箇所が幾つもあったので作り直させていただきました。これからも更新しますので見ていただけると嬉しいです (2019年10月25日 3時) (
レス) id: 192ee57338 (このIDを非表示/違反報告)
K.y - 前回読ませていただいたのですが、また書いていただけて嬉しいです。更新楽しみにしてます!! (2019年10月22日 5時) (レス) id: 19d59073e5 (このIDを非表示/違反報告)
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