莉犬くんの妹は超絶美人！

お兄ちゃん落ち　過去へん ページ26

莉犬サイド


俺たちは、偽物の兄弟だ。

ちが繋がっていない。

俺とりけんくんは本物の兄弟。

でも、Aと俺たちは偽物。

でも、兄弟で、家族だ。


今から十五年ほど前。

おれはその頃の記憶がない。

りけんくんには双子の姉がいた。

それはAじゃない。

ある日、突然その子は亡くなった。

小さいこにはよくあるらしかった。

母はその子が忘れられなくて、保護しせつにむかった。

そこでであったのが、A。

母ははじめ、亡くなったこの代わりとしてAを引き取ったらしかったけれど、

その考えはAが大きくなるにつれてなくなっていった。

この話はずいぶん前に母から教えてもらった。

この事情は、りけんくんと俺しか知らない。

母から絶対にAに言わないで、と

強くねんおしされているからだ。

それだけでない。

もしいってしまえば、おれたちの関係は

崩れてしまう。

だってそうだろう。

ずっと家族だと思っていた人があるひとつぜん

他人だったなんてわかったら。

自分は養子なんだってわかったら。

傷つくだろう？


一生言わないと思ってたんだ。

でも、気が変わったよ。

もう成長してものが分かるようになった。

言うには遅いけど、伝えなきゃ。

いままで隠しててごめん。

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