若き星は光る 3試合目

聞きたくなったのは #Y1 ページ9

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『…ん』



見ていたサイトが、ふと着信画面に変わる
名前を確認した後に俺は応答ボタンを押す





『もしもし… 久しぶりですね。哲人さん』




哲「急にかけてごめんな」



哲人さんとは、試合がある時に連絡を取り合うくらいの仲


そんな彼からの連絡に、俺は少し驚いた




『何か御用ですか？』


俺が問うと、少しの間沈黙が流れる




哲「声が聞きたくなった…ってゆーたら迷惑？」



そう呟いた彼の声は、いつもの明るい声色とは異なった少しくぐもったものだった





『…そんなことないです。俺も哲人さんの声聞けて安心しました』


俺がそう言うと、哲人さんは「良かった…」と息を吐いた





哲「今こんなご時世やろ？Aのこと考えたらちょっと不安になってん。神奈川も感染多いし」



態々俺のことを心配してくれて連絡くれたんだ…
そう思うと、胸の辺りが暖かくなった




『ありがとうこざいます。哲人さんもちゃんとお家居ますか？』




哲「おるよ」




『体調も崩してないですか？』




哲「大丈夫。…Aもその様子なら元気そうやな」



少し呆れたような哲人さんの声に、思わず”ふっ”と笑う





哲「ちゃんと体づくりしてるん？A細いんやし、サボったらアカンで〜」




『なっ、普段からしてますよ！人の努力をそうやって…』



俺の返答に哲人さんは”ごめんごめん”と反省していないような謝罪をする












哲「…はよ野球したいな」



哲人さんは少し間をあけた後、小さく呟く
それは独り言のようにも捉えられた





『野球したいし、ファンの人達の声が聞きたいし、外に出たいし、……哲人さんにも会いたい』


俺の言葉に哲人さんは「んぇっ！？」と驚いた様子だった




『え、俺変なこと言いましたかね…？』




哲「そういう事じゃないんやけど…」



もごもとする哲人さんに聞き返すも、答えは濁された





哲「とりあえず！ホンマに気をつけてな。またAと野球やりたいし」




『はい。哲人さんも東京なんですし、気をつけてください！開幕の日までお互い頑張りましょう』



「んじゃ、切るわ〜」と言う哲人さんの言葉を最後に、通話は終了した








スマホを置き、テレビをつけると”感染”という言葉が飛び交う





俺は画面の前で、普段の生活が戻ってくることを望んだ













久しぶりの更新失礼しまーす！！

コロナ大変ですね…(汗)




皆さんも気をつけてください！！！！

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