若き星は光る 2試合目

俺の分も #23 ページ6

大河side
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『っ、、ぐすっ、、、』


俺の肩に顔を填めて泣いているのはAさん。
俺がAさんの所にやってきた理由は1つ。



戦力外通告だから。

Aさんとは短い間だったけど、守備やバッティングを教えてくれた。


最後の挨拶にと思いAさんの元に行くと、俺を見た途端泣いて抱きついてきた。そして今に至る。


松「Aさん、、」


一向に泣き止まないAさん。それを見て俺も思わず涙が溜まって溢れた。


『大河。僕、もっと大河と野球したかったよ、、』


俺の肩に顔を填めたまま、Aさんは声を振り絞り呟いた。



松「俺だって、、Aさんとずっといたいです。」


俺がそう言うと、Aさんは顔を上げた。

目元が真っ赤っかでだらしない顔だけど、それさえ愛おしく見える。


松「Aさん。好きです。」


言おうとも思ってもいなかった言葉が、無意識に口から零れた。
後悔したくないからかな。この気持ちを伝えずにベイスターズからいなくなりたくなかった。



『ごめん。僕は仲間として大河が好きだよ。でも、ありがとう。』


俺の頬を伝う涙を拭いながら、Aさんはそう言って笑った。 どこまで優しいんだ、あなたは。



松「また来ます。」


『うん。体調崩しちゃダメだよ？』


松「はい。俺はどこに行ってもAさんのこと、好きですからね？」


『僕も大河のこと絶対忘れないからね。』



なかなか切れない、、いや、切りたくない会話。もうここで別れたら会えないかもしれない。



でも。ケジメつけなくちゃな。



松「Aさん！！！」


会話の途中で俺はAさんの名前を大きな声で言った。

Aさんはびっくりした顔で俺の事を見ていた。



松「俺の分まで、これからよろしくお願いします！！！」


そう言って勢いよく頭を下げた。

ゆっくり顔を上げると、Aさんはクスクスと笑っていた。



『当たり前でしょ！！笑わせないでよ！』


笑っているAさんは初めて会った時と同じ、綺麗な笑顔をしていた。




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大河くん、水野さん、大志さん、綾部くん、寺田さん、中後さん、西森さん、狩野さん、田村さん、青柳くん。

本当にありがとうございました。
どの選手も二軍の試合で頑張っていたので、本当にショックでした。

この人達の思いを胸に、CSを勝ち抜きましょう。


秀明くんのインスタでガチ泣きしました。

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