若き星は光る 2試合目

春愁 #25 ページ23

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『早いもんですね』







俺の隣でAはそう囁いた






ベイスターズで野球をやって9年がたった。言葉に出すと長いような気がするが、俺にとってはすごく短かった






「そうだな」





Aとは、半年ほどしか共に過ごしていない。
それでも、俺はこいつが好きだし、欠けてはならない存在だと思う






ただ、毎日野球して、勝って笑って、負けて悔しくて







そんなことを昨日も今日もずっと繰り返していた







昔、タケさんとかと言い合ったこともあったっけ








仲良くなかった時期だったんだろうな








優勝したかった







俺は何度も、青く光り輝く頂点に手を伸ばした








でも、掴み取る事は出来なかった







『筒香さん』






『俺、筒香さんが嫌いです』








Aはそう言って、静かに涙を流した








『これから一緒にやって行こう、そう思ってたのに』







『あなたはすぐに居なくなってしまう』








声を振り絞り、呟いたA









「俺もAが嫌いだ」









俺が言うと驚いた顔をした








「お前は何でも1人で背負おうとする、それで後になって辛そうにする」







「そういう所が嫌いだ」








でも、違う








『「本当は、好き」』








お互いの口から、零れた本音








『優しいところ』







「頼りになるところ」







『可愛がってくれるところ』







「たまに天然なところ」







気づくと俺も、Aも笑っていた







ああ、こいつがこうやって笑顔になっているだけでいい







「出会ったのなら別れがある」








「そうやって変わっていくんだよ」







「それでも、Aなら大丈夫だろ？」







『はい』









俺は、彼らに託した









この青く染まる横浜を









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Mrs.green Apple さんの"春愁"という曲をテーマに筒香のお話を書きました。



私は野球が好きになってまだ浅く、1年半ほどしか経っていませんので説得力は無いですが


彼がどこに行ってもちゃんと応援しよう

そう考えています。




メジャーのどのチームに行こうが、彼が横浜にいた事には変わりないのです。


キャプテンである彼がみんなを引っ張ってきてくれたから、今のベイスターズが成り立っています。




彼が横浜でプレーしてくれたことに感謝しています。






ありがとう。

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