#13 ページ12
･
･
頭が一気に真っ白になった。そして、数秒後に気づいた。
ああ、負けたんだ。
次々と出口に向かうファンの人達
グラウンドの中心に集まり、喜びを分かち合う阪神の選手
それを見た自分の感情がどうなっているか理解出来なかった。涙すら一滴もこぼれずーーー
ただ、呆然としていた。
筒「A。」
筒香さんに名前を呼ばれ、ハッとした。
筒「やっと気づいたか。整列。」
と言って筒香さんは他の選手がグラウンドに出ていくのを指さした。何回か僕の名前を呼んでくれたらしいが、全く気づかなかった。
『すみません、すぐ行きます。』
僕は立ち上がり、筒香さんの後ろについて行った。
そこからのことは、ほとんど覚えていない。
周りの状況も、自分が何をしていたのかも。
ロッカーに向かう途中、この三連戦を思い出した。
神里さん、調子が良くて先頭打者として活躍してくれた。
ソトさん、ヒットをたくさん打ってくれて心強かった。
筒香さん、先制してくれてチームを引っ張ってくれた。
チャモさん、ホームランを打って盛り上げてくれた。
宮崎さん、大切な場面で打ってくれて本当に嬉しかった。
光さん、最終戦でチャンスを活かして得点してくれた。
柴田さん、守備もバッティングも全部凄かった。
大和さん、僕と二遊間を組んでくれて頼もしかった。
石田さん、濱口さん、平良さん、苦しい戦いでも踏ん張ってくれた。
エスコさん、三嶋さん、ちゃちゃ、今永さん、国吉さん、康晃さん、登板数が多い中、辛くても頑張ってくれた。
桑原さん、佐野さん、梶谷さん、中井さん、乙坂さん、スタメンじゃなくても代打や代走で最善を尽くそうとしてくれた。
このチームなら、苦手とする虎にも、首位のあのチームにも勝てる気がしていた。
これからミーティングなのに
泣いちゃうよ
ロッカーに向かわなきゃ行けないのに
足が進まないよ
まだベイスターズで過ごした時間は短いはずなのに、色んな思いが込み上げる。
大「A。」
名前を呼ばれたので振り向くと、大和さんが僕の方に近づいてきた。
大「まだミーティングまで時間はある。辛かったら全部吐き出していいんだよ。」
そう言い大和さんは、僕を優しく包み込んだ。
僕ーーーーいや、"俺"。今くらい素直になったっていいよな。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 99人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にゃあ - 受験がんばってください！待ってます！良いお年を。 (2019年12月26日 13時) (
レス) id: 6c1a3f5f49 (このIDを非表示/違反報告)
にゃあ - 続き、楽しみにしています！ (2019年12月22日 15時) (レス) id: 6c1a3f5f49 (このIDを非表示/違反報告)
にゃあ - りあ。さん» 清宮選手が転んでしまったシーン、可愛かったので録画で何回も見ました(笑) 頑張ってください！ (2019年12月4日 0時) (レス) id: 6c1a3f5f49 (このIDを非表示/違反報告)
りあ。(プロフ) - にゃあさん» コメントありがとうございます！分かってくださいますか！！私は清宮くんが転んで大の字になるやつが大好きです笑 更新頑張ります！！ (2019年12月2日 7時) (レス) id: 29b03a1336 (このIDを非表示/違反報告)
にゃあ - 珍プレー好プレー見ました！可愛く見えるのすごくわかります！ 更新楽しみにしています。頑張ってください！ (2019年12月2日 0時) (レス) id: 6c1a3f5f49 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りあ。 | 作成日時：2019年9月27日 0時
