16話 ページ16
私ね、中学校のときから美術部だったの
それで尾沢くんのことも覚えてたんだ
最初は変わった人だなぁって思ってた
無口で
愛想が悪くて
前髪で顔が見えなくてさ
でも、尾沢くんの描く絵がすごいの
色使いが綺麗で
1枚の絵から色々と考えさせられるんだよね
その絵に込められた意味
そして描いた本人の心情
無口で無愛想な尾沢くんが
唯一自分の感情を出していたのが
あの絵だったんだと思う
絵というより色を大切にしてた
あんな絵を描ける中学校なんて何処にもいないと思ったよ
でも尾沢くんの絵が大人達に評価されることはなくてね
中学生男子の考えてることなんて
大人達にとってはどうでもいいものだったんだ
誰も尾沢くんの思いなんて読み取れなかった
それで、尾沢くんは感情を描くのをやめたの
そんな尾沢くんの描きたいわけじゃない絵を大人達は褒めた
私はあの絵…本当に好きだったのになぁ
感情に任せて描いたっていいと思うの
つまらない顔をして描いた絵なんてなんの価値もない
だって描きたいものを描くのが絵なんだから
そう伝えたかった
でもあの時の私にはできなかった。
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作者名:華澤(はなたく) | 作者ホームページ:https://twitter.com/taki1224hana
作成日時:2017年4月29日 16時