【オリジナル】紫の花が咲くころに君という花に会いたい (ページ15)

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15話ページ15

「…芽出？」

階段の上には同じクラスで美術部の堀河さんがいた

彼女とは小中高とずっと、同じ学校だ

また泣いているところを見られてしまった

「堀河さん、どうかしたの？」

「…それはこっちのセリフ。

なんでこんな所で泣いてるの？」

階段の上から1段ずつゆっくりと堀河さんが降りてくる。

「別に…なんとなく…」

なんと答えていいか分からなくて言葉を濁した

堀河さんは私の隣まで来て階段へ腰を下ろし、

横目で私の目を見て

「そ。」

と、口を尖らせて言った。

私はどうしていいか分からずただ黙っていた。

堀河さんも何も言わず、ただ沈黙が続いた。

なんだかこの空気感に耐えられなくて

家に帰るね、と立ち上がろうとしたとき。

「泣きながらさ。何かたくさん喋ってたよね」

「それは…」

気まずくて足下に視線を向ける

「よく聞こえなかったんだけど、

もしかして尾沢くんのこと？」

図星だ。私は静かに頷いた。

堀河さんは深くため息をついて

まっすぐ前を見ながら言った

窓から差し込む夕日に照らされる堀河さんは

なんだか綺麗に見えた

「尾沢くんが引っ越してきて、私も驚いたんだ」

私はずっと下げていた顔をあげるタイミングを見失い

足下を見ながら堀河さんの話を聞いていた