【オリジナル】紫の花が咲くころに君という花に会いたい

12話 ページ12

階段に着くより早く、私の目から涙が溢れ出てしまった。

声をあげて泣きたかったのに

今日はよく晴れていて、物音ひとつしない。

雨の日なら音で誤魔化せたのに。

でも、あふれ出る涙は止まらない。


「変われなかった……か……」


そうかという気持ちにはなれなかった。

じゃあもういいじゃないか。

４年前の約束なんて、もう、忘れてしまったって


因みに私は変わったぞ


と、ひとりごとを言いそうになった。


あの時からだ。

結斗と再会した日。

あの時から

変わったはずなのに戻ってしまう。

私は君といたときに戻りたいのかもしれない。

いや、私は……


「また一緒にいたい……！」


気が付けば声をあげて泣いていた。






私は

今でも結斗が好きだ。

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あずきいろ

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