先取り屋

3、急に ページ4

Prrrrr Prrrrr

あちこちの電話が鳴り響く真っ暗な部屋

「はい!!此方、先取り屋のAです。

何をご注文ですか？」

優しげな声と裏腹に何かを企む表情の女性

「えっと、何でも先取り出来るんですよね？未来のこととかも大丈夫ですか？」

そう訪ねると彼女は…

「大丈夫ですよ!!何の未来でしょうか？」

「僕の結婚相手を先取りしてもらいたいんです。」

はっきりと依頼を聞いた彼女は楽しそうに聞いた。

「承りました!!いつ、そちらに配達いたしましょうか？」

「明後日の夕方は平気です。」

「分かりました!!直ぐにお届けいたしますね♪代金は、100円です。」

その金額に驚く男性だったが騙されたら安いものだと半信半疑でこの電話をしたのだった。

ｶﾞﾁｬｯ

電話のあらしがやむと

「ｸｸｯ…なんで、急に忙しくなったんだろう？

まぁ、此方としてはありがたいけど」

貼り紙を書き続けて流行るまで長い道のりだったなーと呟きながら

依頼物リストを作成した。

「人は、先取りに弱い…ちょっと、我慢すれば手に入ったり分かったりするのに…

何事も我慢強くならなきゃねー」


大きな扉を開けて彼女の仕事が始まった。

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