第102話 ページ5
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なかなか名前を覚えられない栗花落とみんなの攻防はしばらく続いたが、結局覚えられることは出来なかった
上「…そういや俺たち普通に話してっけど、栗花落って耳聞こえないんだよな？」
障「確か口の動きで話を理解しているのだったな。もしかして速かったか？」
八「もしそうでしたら、私たちの配慮が足りていませんでしたわ。」
「ん？ ああだいじょびだいじょび、ちゃんと分かってるよ。」
耳「それならいいけど…でも凄いね、口の動きだけで話がわかるなんて。」
「口の動きもそうだけど、これもあるからなんだよね。」
そう言うと栗花落は首に巻いていたチョーカーのようなものを取り外した
ベルトの色は黒とシンプルなもので、一見普通のチョーカーのように見える
チョーカーを手渡され付けてみてと言われた耳郎は不思議に思いながらも付けてみる
「どんな感じ？」
耳「特になにも………ん？」
葉「どうしたの？」
耳「なんか、振動？ リズムはバラバラだけどなんか振動がするんだよね。」
「それね、モールス信号なの。」
「「「「モールス信号？？？」」」」
飯「確か、電信による伝達を目的として発明され、短点とその3倍の長さを持つ長点の組み合わせにより文字や記号を表すものだ。」
「そそ！ みんなの会話をモールス信号としてそのチョーカーから流してるの。」
緑「モールス信号わかるの！？」
「わかるように"した"の！ まあ流石に複数同時に話されたらアレだけど。」
彼女の陰ながらの努力を目の当たりにしたA組一同は直ぐには言葉が出なかった
聞こえないというハンデを諸共しない栗花落の姿勢はみんなの向上心を沸き立たせる
緑「僕も白雪ちゃんに負けないようこれからも頑張るよ！」
「…ヒヒ、勝てるといいねぇ？」(ﾆﾔｯ
子どもっぽい笑顔を見せ、煽り文句を言う
その笑顔は心底楽しそうな顔であった
緑「絶対勝ってみせる！」
「ふはっ！ いいね〜この調子じゃあどんちゃんより早く勝つかもね。」
爆「あァ！？ 俺の方が先に潰すに決まってんだろ！ ふざけたこと言ってんじゃねーぞくそデク！！！！」
緑「ご、ごめん！」
栗花落についてはこれくらいにし、各自どこの事務所へ行くのか決めることにした
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作者名：ベーコン | 作成日時：2022年12月21日 21時
