第89話 ページ42
白雪said
私は、昔から遅かった
会話の内容を理解するのも遅かったし、何か覚えるのも遅かった
そんな私だから周りの子との距離も自然と開いていった
別に理解力が乏しいのも物覚えが悪いのも嫌だと思ったこと無かったからいいんだけど、それでもちょっとは気にする
だから、爆豪の言葉がたまに刺さる時があった
〜幼少期〜
どてっ
緑「イテッ！」
爆「出久、こんなんもできねぇのかよ。」
緑「れ、れんしゅうしたらできるようになるもん！」
爆「ふーん、白雪は？」
「みよ！ 私のかれいなボールさばきを！！！」(ｽｶｯ
爆「思いっきりスカしてんじゃねーか。 ハッ、やっぱお前もなんも出来ねぇな！」
「っ…えー？ あとちょっとだと思うんだけど、ねぇ"もずく"？」
緑「"いずく"だよ白雪ちゃん。」
「あり？」
【何も出来ない】
その言葉がずっと心の中で引っかかっていた
このままでいいの？ 出来ないままでいいの？
わからない
わからない
わからない
細かいことを考えるのは苦手
？「大丈夫よ。」
「…ほんとに？」
？「ほんと。」
「でも、ほかのみんなはできてるのに、わたしは…」
？「……白雪、ゆっくりでいいのよ。周りに合わせる必要なんてない、自分のペースでやればいいの。白雪にはまだたくさん時間があるから。」
「…わかった、わたしのぺーすでやる！ ありがとう"ママ"！！」
ママ「ふふっ、どういたしまして！ あ、今日は白雪の好きなオムライスよ〜！」
「わーい！！」
ママがゆっくりでいいって言ってくれたから
自分のペースでいいって言ってくれたから
どれだけ他の子より遅くても、出来ないことが多くても
ママが言ってくれたあの言葉があったから気にならなくなった
"もずく"だって私と同じで少し遅いだけなんだ
「いっしょにがんばろーね、もずく！」
緑「…うん！ あとぼくは "いずく" だからね。」
「あり？？」
．
ママがいてくれれば、私は……………
．
．
ママ「ﾊｧ…ﾊｧ……白雪…ｹﾞﾎｯ」
「ママ！！」
．
ママ「………………ごめんね…」
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ベーコン | 作成日時：2022年10月14日 9時
