ブラック本丸潰してた役人が「審神者」になる話

悪夢 ページ30

貴方side


『嫌だ！私もお兄ちゃん達と一緒にいる！』


？『だめだよ舞。…君は特別な子なんだ。その力で沢山の人を救うんだよ？いいね？』


私は特別なんかじゃない、力なんかないし人を救えるわけない


？2『ああ、でも無理はだめよ？あなたは優しい子だから心配だわ…』


優しくなんかない。人の顔色を伺いすぎてるだけ


？3『おい！さっさとここのドア開けやがれ！！』


なんで


？2『さあ、もう時間がないわ。早く行きなさい』


(嫌だ)


『…ねえお姉ちゃん、また花札やろうね？約束だよ？』


？2『ええ。もちろんよ』


(嘘だ)


『お兄ちゃんもだよ？』


？『ああ。次はぜってー負けねえからな』


(嘘だ！)


『うん！』


？『…じゃあな』


私は窓から外へ出て、走り出す


(だめ、止まって)


後ろから木材が割れる音がする


…誰かが泣いてる、『痛い』って言ってる


誰かが『やめろ』って叫んでる


…もう声が聞こえない


雨が降ってきた


(ああ、私なんかが生き延びてごめんなさい)


視界が暗くなっていく


…足が動かない


私はそのまま地面に倒れ込んだ

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