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ゆっくりと目を開ける
そこは慣れない場所で、初めて来た場所だったが匂いでマフィア本部だとわかった
目立った外傷はなく…否、見えないからわかんない
寝かされ状態で頭が起き上がらない代わりに上半身が軽く浮いた

「中原さん…」

中原「お前…」

心配そうな表情で私を見る
その後ろにはボスとエリス嬢もいた

エリス「A!何してたの!?あの状態ならAもすぐに逃げれたでしょ!?」

「申し訳ありません…」

森「紅葉君たちも心配していたのだよ」

眉を下げながら此方に歩む寄ってくる
中原さんと並んで私を見ていた

「…心配してくれたんですか?私を?」

その問いかけに酷く哀しそうな顔をするボス
少し怒りの見える中原さん、エリス嬢は「はぁ?」と言ったご様子

エリス「何言ってるのよ!そんなの当たり前でしょ!?Aがいなくなったら私とQの遊び相手は誰がするのよ!」

ぷんすか起こって足をポカポカ叩き始める
痛みがないということは足は無事のようだ
頭の包帯の感触はあまり懐かしいとは言えないからすぐわかった

森「君は…昔の事を引きずり過ぎなんだよ、今ここには君を酷く言う者も、悪用する奴もいなくなったんだ、心配しないでもっと頼っていいんだよ」

「貴方が言うと裏がありそうで信用できない私が怖いです」

森「まぁ…そうだよねぇ」

「…別に貶してるわけじゃないんです」

森「あ、デレてくれた…デレてくれたよエリスちゃんんんn((エリス「煩いリンタロウ!」」

エリス嬢を抱きしめようとするボスだったが逆に軽いパンチを食らったようで
嬉しそうな雄叫びが部屋に木霊す

森「いてて…じゃあ後はごゆっくりー」

そう言って手を振り部屋を出る
残ったのはベッドの上の私と、その横で立っている中原さんだけだ
中原さんは近くの椅子を此方に持ってきて大雑把に座った
その音に肩が飛び上がる

中原「…おい」

「はい…」

中原「お前、ボスにまで手間かけさせやがって…何やってたんだ?あ?」

「い、家に外国風の…多分組合の人がいて、それで火を((中原「それじゃねぇ」」

中原「俺が聞きてぇのは『如何して逃げなかったか』だ」

いつもより眉間に皺を寄せて怒りを見せる
私はそれに無意識に涙が出てきた
…人の感情にはトラウマ絡みが厄介に絡みついているからだ

「だっ…て、折角皆さんから貰った物が、何より、ボスが私に居場所をくれた家まで…」

中原「そんなのはどうでもいんだよ!!!」

「ひっ」

______
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作者名:*憂鬱* x他1人 | 作成日時:2016年10月30日 16時

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