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探偵社から出て家へ向かう
鏡花ちゃんを怯えさせてしまった悲しさと、それでも正しいんだという自己正当を繰り返しながらただ悶々と胸糞悪い気持ちが胸を支配していた

「表情筋が悪いんだぁ…きっとそう…」

家の前についたので取りあえずドアノブに手を掛ける
ドアノブは自然と開いた

「…何で?鍵は閉めたはず…」

恐る恐る玄関に入り靴を脱ぐ
家の中はアルコールの匂いで充満していた
すぐ近くのリビングを静かに覗く

「!!」

そこには人
それも見たことのない奴だ
見た目からして…外人?それにしても何故
そこで私の思考は一つの案がよぎる

(組合か…)

懐のナイフを手に警戒を始める
途端

ガタンッ

?「!?」

「やっ、べ!!」

足元のゴミを蹴った←
侵入者は私に気づき、銃を手に発砲する
私はあわてて陰に隠れた

「何でこんな失敗したの私…!あれか!?引き籠ってた罰か!?」

何にせよ私は今銃がない
此処はマフィア本部じゃないから銃など持ち込めないんだ

侵入者は私が出てこないか否や、または面倒くさいか、元の命令がそうなのか
ライター音がしたと思ったら何かが燃える音と、早くも焦げた匂い

家に、火が付いた

「はぁっ!?」

侵入者は中庭の扉から脱出し走り去る
私はそれを追うことができなかった
何故なら

「う、そ…ヤダヤダッ!」

部屋に置いていた写真
誇らしげに飾っていたスカイブルーのペンダント
大切に保管していた入社祝いのエリス嬢から貰った絵

何より、森鴎外殿から貰った家

「ヤダヤダッ!消えてよ!壊さないでっ…!」

火の中に未だに喚く私の思考は働くことを忘れていた
熱い、熱いけど、離れたくない、此処からは

ココから

森「何やってるんだ!早くっ!」

「っ…、っ、」

いつの間にかボスが家の中まで入ってくる
私は大事な物たちに手を伸ばしたがそれは空を切った
そこで私の意識は飛んだ

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作者名:*憂鬱* x他1人 | 作成日時:2016年10月30日 16時

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