第101話 ページ8
ジェイドside
ジェイド「…」
彼の知っている事はきっとほんの一部なのでしょう
ですが真実はこの中にちゃんとあるようです
彼はミドルスクール時代に同期から刃物で傷を付けられた事がある
だから人を疑う性格をしているのですね
以前のAさんの性格を知りませんが、皮肉にもそれが原因で彼のガードを硬くしてしまっているらしい
そしてその彼のユニーク魔法は「自分を傷付けて花を咲かせる」というもの
あの傷は単なる自分を守るための行為ではないらしい
そして彼の話からして、Aさんは精神的に参ってた時期があったようで、あの細身の身体はおそらくそれが原因
でも今は「普通」に過ごしていらっしゃる様子だ
色々なご友人に守られながら
えぇ、事実ここにいるセレン・ジェリシアも今回我々が仕組んだ「アレ」から彼を偶然に守っている
どこまでも自分の弱みを強みに変えようとしてしまう、隙のない相手
単に捕まえるだけであるとすれば難儀なものですね
ですが、彼を懐柔できたとすれば?
ジェイド「…成る程、ありがとうございます
お陰様で色々な事が分かりました」
オクタ「…ッ…!!」
アズール「彼は素晴らしいご友人を持ったようですね
貴方のようなお友達を守れる慈悲深い相手に囲まれて…彼はさぞ幸福な事でしょうね」
オクタ「…ッ…あんたら何が目的で…!?」
アズール「貴方の守りたいお友達を僕達も守りたいというだけですよ
だから貴方ははっきり言って邪魔なんです
僕達の計画の邪魔をするなら貴方に危害が及ぶ事をどうかお忘れなく
…あぁフロイド、彼に「アレ」を渡しなさい」
オクタ「…ッ…!!」
フロイド「美味しい?アズールの魔法薬入りのラムネぇ
綺麗さっぱりぜーんぶ忘れて、ラムネの味だけよぉく覚えておいてねぇ」
フロイドはアズールが作った魔法薬入りのラムネを渡します
このラムネの怖い所は、この後しばらくこの味を忘れられない事
そう、ドラッグのようなものです
アズール「…下僕が増えましたね
彼は部屋に戻しておきなさい」
ジェイド「…お休みなさい、セレン・ジェリシアさん
明日からまた何事もなかったように、「普通」にお過ごし下さいね」
僕は笑いながらラムネの影響で眠ってしまったセレン・ジェリシアさんを運んで、部屋を後にしていた
22人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ユウ | 作成日時:2020年12月29日 15時