The invisible story 3 (ページ45)

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第138話ページ45

ヴィルside

ヴィル「…」

ねぇ、ジェイド

アタシ聞きたい事があるの

前Aを連れてきた時から思っていたんだけど、貴方Aに何してるの？

A怯えきってるじゃない

Aはアズールの「アレ」に引っ掛からなかったんだし、判断力自体はあるはずよ

そのAがアンタ達と縁を生み出す理由は何？

絶対交わらないはずの存在に交わる時、どちらかが手を出すのが道理でしょ？

その手を出したのはジェイド、貴方の方ではなくて？

Aの発言の仕方や様子からして、アンタ達がAに不当な条件を押し付けて縛ってるようにアタシには見えるんだけど

アタシ、この学園Aより長いんだからアンタ達がどんな人間かだいたい知ってるわよ

そのアンタ達の素行からAが今連れて行かれている事態に嫌な予感を感じない道理がある？

A、アンタあの2人に何されてるの？

どうして怯えてるの？

何があるのよ、あの中に

ルーク「随分彼らはムシュー・生花に紳士的な振る舞いをしているね」

ヴィル「…」

アンタにはそう見えるの？

確かに肩と背中支えられて誘導されてて、側から見れば御令嬢とその執事のようにも見えるけど

でもその御令嬢(A)は明らかに2人に従わされているだけのお嬢様に見えるじゃない

怖がっているし、何か言いたい事を素直に言えない事情があるような

どっちかと言うと魔王に捕まってしまった囚われの姫君にも見えるけど？

ねぇ、アンタ達一体どういう関係？

ヴィル「…Aはアズールの「アレ」に引っかかってないんだし、回避する能力はあるはずだわ

だからあの2人に連れて行かれた所できっと、うまくかわして帰って来られるはずとアタシは信じる

でも…」

ルーク「後輩が気になるのは私達上級生の性だね

しかし…君の言う通り彼ももう大人だ、自分の事は自分で解決できるはずだよ

もし彼の方から何か言われたら支えればそれで良いさ」

ヴィル「…そうね」

アタシは腑に落ちないと思いつつも、Aを送り出して自分は寮へ戻って行っていた