第54話 ページ10
数日後 期末試験よりも少し前
サバ「お前、この時期に仕事入ってるのかよ
勉強大丈夫か？」
『…大丈夫
今のところは』
オクタ「入試最上位は流石だな〜
けど俺も最近小テスト満点取れるようになってきた！
皆のお陰かな」
スカラ「お前、やらなかっただけでやればできるじゃねぇか
何でもっと早くにやらなかったんだよ、むしろ」
オクタ「自分勉強は好きじゃないって言ったじゃん
でも今はお前らがいるから楽しい！
今度の試験皆で上位目指すんでしょ？俺も寮長達に目つけられてるし頑張る〜」
イグニ「…そう言うなら俺だって…」
ディア「…最下位に言われるのは癪だけど…まぁこの後の成績なんてこの後に決まる話だしな
初めがどうとかはこれから関係なくなってくる
そうだろ？」
ハーツ「…確かに…」
サバ「未来を生きるってそんな感じだよな
それにしたって今を一生懸命生きるお前はすげぇよ
けど学生の本業は一応は勉学だしな、あまり無理すんなよ？」
『…気を遣ってくれてありがとう
…また明日』
実は僕はとある脚本家の方に声をかけられて、一話だけだけどドラマへの出演が決まってしまった
因みに配役は主演の男性が過去に失った弟役
このドラマの主人公は女性で、その女性は主演の男性の方と解剖医をやっている
その女性は新人の解剖医で、主演の男性はそんな主人公を側から見守る少し大人で他人と距離を一線置いている凄腕の解剖医
そしてその他人と交われない原因が何なのか、という話において僕がその主演の男性に関わってくる、という話だ
物語の中で重要な役割を果たすとはいえ、そこまで目立たない役
ましてや役の種類が少し特殊で、物語は僕がいるせいで話が悪い方向へと向かう
当然最終話で全て解決はされるが、一部だけを見るとどうもこの役を好きにはなれないだろう
でも僕はその役割をそこまで嫌っていない
何せ「善悪の分け前を持っていない殺人犯に殺される弟役」だから
そういうの嫌いじゃない
理不尽に好かれているその役の弟君に、どこか魂を売れるという気持ちになれる
『…撮影、お願いします』
マネ「おう」
監督「じゃあこのシーンから
3、2、1、はいスタート！」
僕は気持ちを整えて、全力で与えられた役割を演じる事にしていた
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作者名：ユウ | 作成日時：2020年12月25日 22時
