The invisible story 2 (ページ7)

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第51話ページ7

そして話は加速していき、本気で僕達は寮長になれるだけの奴らになろうという計画を立てた

まずは期末試験で良い成績を残して、普段の勉強も真面目にやって、イベントの手伝いとか先生の雑務も真面目にこなす

所謂「地味な努力」を真面目にやろう、という話になったのだ

とはいえ元から器量も良くて素直な奴が集まってここはできているから、やる気さえ出ればハードルは高くないのだ

互いに高め合って、言い方悪くするなら煽り合い挑発し合い、結果全員で上に上り詰めようという僕達の策略的なライバル視していく関係への成長というものである

僕もそれに巻き込まれて、勉強もスポーツもしっかりやってくれと頼まれる

そして寮長に必要な毒の錬成も鍛えろと言われているのだ

『…』

サバ「どうした？」

『…いや、別に何でもないよ

僕あまりそういう関係になれる友達っていなかったし、新鮮だなって』

オクタ「勉強に因縁つけられても、勉強一緒に頑張ろうって奴はいなかったの？」

『…いなかったって言うよりも、僕がそういうの目に入れないようにしてただけかもしれない

自分と戦ってばかりって言うか、自分の思える自分でないと僕は認めないから、褒められたりしても自分が納得いかないと自分の事甘やかしてあげたいって思わないタイプで』

ハーツ「ほー、意識高いって奴だ

逆に尊敬できるわ、そういう奴なかなかいないぜ？

自分で自分を高めて行こうって簡単にはできねぇよ」

『…そう、かもね』

本当の所はそうじゃないけど、まぁ良いや

本当はただお父様とお母様に褒められたくて頑張っていただけで、自分を高めてきたっていうのも自分を認めようとは思わずに他人との距離を阻んでいたというのも正しいけど、それで意識が高いって言われるとそれも違う気はする

でも結局は自分のために自分で戦って、欲しいものはとにかく全部手にして、それなのに自分を認めないで周りを負かしてばかりでいる嫌な奴になってしまっていたのは事実

そうやって孤独を選ぶような真似をしてきた僕が学校側に煙たがられていたのは正直当然とも言えよう

でも、それを良しと思ってくれる誰かがいるなら僕も輝いて良いのだろうか

『…僕は皆がやるならやるよ

勉強でもスポーツでも、僕ができる事なら』

サバ「じゃあ一緒にやろうぜ

全員でやれば怖くねぇからな」

その日から僕達は、寮長を狙う意識高い系の高校生へと転身し始めていたのである