The invisible story 2 (ページ41)

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第85話ページ41

『…ん…』

僕は意識を覚醒させ始める

あれ、僕何で眠っていたんだっけ？

何で今僕は眠りから醒めようとしてるの？

今は何時？

いつ？

全然分からない

『…？』

ヴィル「…」

あれ、ここポムフィオーレ寮の談話室？

あれ、僕談話室で眠っていたの？

普段そんな行儀の悪い事はしない

流石の僕にだって良識みたいなものは当然ある

眠る時は寝床で、昼寝をするなら人様に迷惑をかけない所で

いや、昼寝なんて僕は滅多にしないけど

舞台で練習する時だって撮影の時だって常に気を張って、眠らないように気を遣っている

いや、まずそんな緊迫する場で眠気が起こる事もないんだけど

ヴィル「…起きたの？」

『…！！』

隣から知っている声が聞こえる

その声の方を振り向く

『…ヴィル…先輩…』

ヴィル「話してちょうだい

貴方、何かアタシに隠してるわよね？」

『…はい…？』

ヴィル「貴方、アタシが気付いていないと思ったら大間違いよ

最近碌に食事も摂っていないみたいじゃないの」

『…！？』

どうしてそんな事知ってるの？

いや、待って、別に隠してもないんだけど

そんな大事だと思っていないから別に言わなかっただけで

それにヴィル先輩に隠し事だって別にしてない

ただあまり関わらないでいたってだけで

何でこんな大事みたいに言われてるの？

ヴィル「悩みがあるなら相談してって言ったじゃないの

そんなにアタシの事嫌いなの？」

『いえ…』

いや、そうじゃないけど

そうじゃないけど他人に何でも話すものでもないでしょ？

ヴィル先輩には言わないでいるってだけで、別にヴィル先輩だから言ってない訳でもない

嫌ってもいない

別に何も考えてはいないだけなんだけど

ヴィル「…相談できないような事なの？

アタシの事？」

『…いや、違います…』

ヴィル「じゃあ何なのよ」

ヴィル先輩は僕に怒るようにそう言ってきて、僕はどうしたら良いものかと色々考えていた