The invisible story 2 (ページ26)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:48,073 hit

第70話ページ26

どうして僕をこんな風に捕まえたのか、あるいは何が本来の目的でここまでしたのかと聞きたい事は溢れている

でも自分の中に蔓延る恐怖心と、どこか意識が朦朧としていく感覚に何も言えなくなっていく

『…ッ…』

そういえば遅効性の睡眠薬入れたとか何か言ってたな

これ僕が圧倒的に不利になるように整えられた舞台、っていう感じ？

もう眠たくて何も考えられない

目がもう少ししたら閉じてしまう

起きていないと

起きていないと何が起きるか分からなくて怖い－－－－

ジェイド「…おや、今日はここまでのようですね

時間はいくらでもあります、これからもどうか宜しくお願いいたしますね

ですが一つだけ最後に」

『…はい…？』

ジェイド「フロイド」

そうやってさっきジェイドと名乗った人はフロイドという人に声をかける

僕は朦朧としている意識の中、2人のやりとりを見ている

フロイド「ねぇねぇA君」

『はい…？』

何を言うのかと思えば、僕に向かって放たれた言葉はあまりに意外性がありすぎる台詞だった

フロイド「…好き

付き合ってよ」

『…ッ…？』

何でこのタイミングでそれ言う？

ていうか今意識が働かなくてまともに考えられないんですけど

もう少しシチュエーションとかちゃんとしようって気ないの？

そう馬鹿げた思考はそう言いかける

でも眠くてもうそれすらも考えられない

フロイド「…俺、はいかイエスしか受け付ける気ねーから

答えてくれるまでしつこく追い回してあげるからぁ、覚悟しててね？」

『…ッ…っう…』

僕は眠くて、その言葉を最後に完全に意識を落としていた

最後に見えた景色でフロイドという男は僕に恍惚とした笑みを浮かべて笑っていて、まるでそれは僕に対する宣戦布告か、あるいは肉食獣が獲物を見て「逃す気はない」と目で伝えている時に浮かべる笑みであるように思えた