The invisible story 2 (ページ25)

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第69話ページ25

『…ッ…！！』

ジェイド「…「そんなに怖がらないで、貴方の力になりたいんです」」

相手は笑って言う

僕はこの時何が起こっているのか分かっていなくて、何も考えずに気が動転しているままにその相手の目を見てしまっていた

見てはいけなかったと知るのはだいぶ先の話である

ジェイド「…「かじりとる歯(ショック・ザ・ハート)」」

『…ッ…！？』

何が起きたのか分からないままに僕はその人の目を見ていた

一瞬だけ目が光ったように見えたのは幻か、あるいは現実か

ジェイド「…今から僕がお聞きする事に貴方は正直に答えなければなりません

…「貴方は僕達の事を覚えていますか？

…いえ、知っていますか？」」

『…は…？』

いや、知らないですけど

そう言いたいのに口から出る言葉はあまりに酷い言葉だ

どうしてそんな言い方しかできないのか僕が僕に問いかけたいと思うまでに

『…知らない…覚えていませんし、知りもしないですね

誰ですか、貴方達は？

それに何なんですか、さっきから…』

そしてこれを自分で言っている時に、自分がやけに素直になっている事に気が付いた

相手が先輩とか多分喧嘩売ったらダメとかそういうのをまるで考えずに、素直に嫌悪感丸出しで言ってしまっていた

流石の相手もそれには冷たい目をしているのに気付いて、僕は正気に帰る

『…！！』

ジェイド「…そうですか

それは残念です」

いや、待って

やばい

もっとどうにか言えなかったの？

絶対今のは対応を間違えた

喧嘩を売ってしまっているに違いない

確実に敵に思われているだろうし、相手の冷徹な目からして確実に相手に気に食わないと思わせる要素を植え付けてしまった

そして僕に危害を加えても構わないと相手は思っているに違いない

今から起きる事に良い事が起きないのは決まりきっている－－－－

ジェイド「…では改めて自己紹介をしますね

僕はここオクタヴィネル寮で副寮長をやっております、ジェイド・リーチというものです

以後お見知り置きを」

相手はどこまでも物腰柔らかく、純粋に笑みを浮かべて話す

ニッコリしていて、それが逆に怖い

絶対何か裏があるに違いない

どうしよう

ジェイド「…それと、そこに立っているのは僕の双子の片割れであるフロイドです」

フロイド「宜しくねぇ」

そのフロイドという男もどこまでも柔和に笑っていて、僕はそれを見てこれから何が起きるのかと純粋に恐怖に支配されていた