The invisible story 2 (ページ24)

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第68話ページ24

『…ッ…』

どこまでも純粋に悪意を示している笑いにどこかこの人を信用できないという思考が植え付けられていく

逃げたいのに身体が動かなくて逃げようがない

そしてさっき僕に紅茶を飲ませた男は僕が動けないのを知った上で僕が逃げ出せないように肩を掴んで完全に僕の動きを封じている

どこまでも逃す気はないようだ

ジェイド「心外ですね、アズール

貴方も興味があると言っていたではないですか」

アズール「当然ですよ

モデルに舞台役者に最近のドラマにも出演している役が多い…そして品行方正で成績も優秀…

そんな良くできた相手に僕が興味を示さない道理でも？

純粋に欲しいと思わない道理があるとでも仰るつもりですか？」

ジェイド「ふふ、確かにそうですね

純粋に欲しいと思える気持ちは分かります

フロイドとは少し違った意味で」

フロイドって誰？

この件の原因はそこにあるのか？

いや、多分この人達が言っている「欲しい」は良い意味ではない

商品的価値があると言うか、そういう言い方だ

僕を物同然に思っている奴の台詞だ

マネージャーですらこんな物言いではなかった気がする

ジェイド「…あぁ、そんなに怖がらないで？

僕は貴方に危害を加える気ではなかったんです

ただ、フロイドが貴方に用があると言っていたので、その協力をするために少し毒を摂取していただいただけです

命に別状はありませんからご安心を」

『…ッ…！！』

信じられるかよ、そんなの

あと笑って言うな

笑って言われると余計に嫌な気分が増していく

ジェイド「少し敵意を抱かせてしまったようですね

…ですが僕は貴方の味方であると同時に、フロイドにも協力するつもりですので

そのどちらを優先するかと言われましたら、身内を優先するのは当然でしょう？

許して下さいね」

『…ッ…』

碌でもない相手だなと思いながら、この場に誰1人として僕の味方がいないのだけは良く分かる

何で？

何がしたくて？

『…ッ…はな、して…』

動かない身体を必死に動かそうと身を捩っていたが、僕の抵抗はまるで意味を成していなかった

それだけ毒が強いという事だ

流石は2年生、と言うべきか

いや、そんな事を考えている場合ではない

『…やめ、て…ッ…何、する気で…』

僕が頼み込むようにそう言うと、僕の肩を掴む背の高い男は僕の顔をその男の方向に無理矢理向かせてきた