第154話 ページ9
寂「それはそうと…
本当にありがとうね、せっかく人払いしてもらったから私達は控室に行く事にするよ
4回戦にも参加するからその時は応援してほしいな」
ひ「ルークちんありがとね〜!
俺っち達、またあとで頑張っちゃうから!」
独「次は午後ですね…
午後はシブヤ代表とのバトルですので是非応援宜しくお願いします」
そう言って神宮寺寂雷達は俺の目の前から立ち去り、どこかへ向けて歩き始めたようだった
俺はようやく3人が休めるようになった事に安心し、今からどこへ行こうか考え始めた
良い加減席に戻ろうか
今からあと20分後くらいには次の戦いが始まる
人も多いしそろそろ戻ろう
『…!』
女1「左馬刻様〜!キャー!カッコいい!」
女2「左馬刻様、3回戦絶対に勝ってくださいね!
山田一郎の事ボコボコにしてください!」
左「おー、テメェらに言われなくても勝つわ」
ふと俺の視界の先に多くの女性から囲まれた碧棺左馬刻の姿が映る
その近くには入間銃兎と毒島メイソン理鶯もいるらしい
皆、多くの女性に囲まれてそれに応じているようである
『…ッ…?』
俺はそれを見てどこか心が痛むのを感じた
何で?
何でこの光景は俺の心を痛めるんだ?
碧棺左馬刻は女性から人気なんだし、別にこの光景自体は何一つおかしくない
でもどこか俺の心は痛む
あぁ、そうだ、これ−−−−
この光景はきっと本来碧棺左馬刻にあるべき姿なんだ
俺なんかに構うのではなく女性に人気なら女性と一緒にいる姿の方が正しいんだ
俺という男ではなく、女性と一緒に過ごす時間こそが碧棺左馬刻にとって正しい未来なんだ
だから俺は心が痛むんだ
俺では碧棺左馬刻を幸せにはできないと分かってしまうから
だったらもう俺は碧棺左馬刻と一緒にはいるべきでないのかもしれない
碧棺左馬刻には幸せになってもらいたいから
俺は、もういらない
俺は、もう−−−−
『…戻るか』
俺は心のどこかで自分は碧棺左馬刻に相応しくないと思い、どこか胸が痛むのを感じながらその光景から逃げるかのように自分の席へ戻って行った
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作者名:ユウ | 作成日時:2020年5月24日 16時