第185話 ページ40
一郎side
一「…」
やはり左馬刻は強い
そう簡単に超えられない相手だって分かっている
かつてその強さに憧れた事もあるくらいだし、それを超えたいと願っているのは本心であってそれを譲る気はない
それでもやはり越える事だけはできなかった
引き分け、つまりどちらにも勝敗はつかない
優劣を決められない
どちらの方が強かったのかを決められない
ルーク、衣緒、悪い
俺、まだ左馬刻の事を止めてやれねぇみてぇだ
でも俺が左馬刻と渡り合えるって分かってくれたか?
もし困ったら俺を頼ってくれて良いんだって分かってくれたか?
もう、勘解由小路無花果の所に行く気なんて起こらないか?
もしそうなってくれたなら俺はそれだけで十分この戦いに価値を感じられるぞ
あぁ、でも、ひとつだけ謝らなきゃいけねぇ事あるな
ルーク、俺、お前との約束守れなかった
どっちの理想が正しいのかお前に教えてやれなかった
俺の思っている正義と左馬刻の思っている正義、どっちも正しくてどっちも正しくなかったんだよ
だからここからはお前が決めてくれ
お前がどうしたいのか
どんな世界で生きるのを望んでいるのか
その時お前の近くに誰がいるのか
俺はいつでもお前の事応援してやるし、呼ばれたらいつでもお前の所に駆けつけてやる
でも、お前は左馬刻の恋人だから
俺の恋人ではなく、左馬刻の恋人になる事を一応は選んでいるから
だから俺は邪魔はしないな
幸せに、なってくれよ
絶対に−−−−
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作者名:ユウ | 作成日時:2020年5月24日 16時