第167話 ページ22
一「…左馬刻…」
俺が背後から聞こえた声に合わせて振り向くと、そこには不機嫌そうな表情を浮かべる碧棺左馬刻の姿が見えた
山田一郎は碧棺左馬刻を睨みつけながら碧棺左馬刻の名前を呼んでいる
まるでそれは山田一郎が碧棺左馬刻を嫌っているような−−−−
左「左馬刻「さん」だろうが
…テメェ一郎、ルークに何吹き込みやがった?」
一「吹き込んでねぇよ
俺が一番だって証明してみせるから応援してくれって言ってだだけだろ?
ルークだって俺らの事応援してくれるって言ってたぞ」
左「あ?…んだよお前…」
碧棺左馬刻はそう言うと山田一郎と睨み合うのをやめて俺の両肩を掴んで俺の顔をじっと見てきた
左「お前、何で一郎のダボにまで応援しやがる?
俺の事だけ応援すれば良いって言ったじゃねぇか」
一「おいやめとけ左馬刻
ルークだって俺らの事応援したい気持ちはあるんだろ?」
左「テメェ一郎…
ルークは俺に勝ってくれって思ってんだ
お前らの事応援してたら俺が負けるのを応援してる事になるんだぞ?」
一「そうじゃねぇよ!
ルークは皆を応援したいって思っているからお前に負けてほしいとかそういうのは思ってねぇんだ
できれば皆には勝ってほしいけど、それでも本当は勝敗を決めてほしいなんて思ってねぇんだろ?
なぁ、そうじゃねぇのか?」
何で山田一郎は俺の思っている事を分かっているのだろう
俺はその通り、皆には勝ってほしいと思うしできれば勝ちとか負けとか決めてほしくはない
皆等しく頑張ってもらいたいしどちらが強いかなんて別に証明してほしいとは思わない
少なくとも俺よりは皆強いんだから
左「…そうだとしてもお前の思った理想は叶わねぇよ、一郎
そんな世の中甘くねぇ
公平なものなんざこの世には存在しねぇんだよ」
碧棺左馬刻は山田一郎を睨みつけながらそう言っていた
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作者名:ユウ | 作成日時:2020年5月24日 16時