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過去編6 ページ21

そして次の日、俺はまた夜に隣国の草原へ赴いた


星の瞬き始める頃、と言われたが、時間になってもシグルドは来ておらず、俺はしばし本を読んで待っている事にした


『…待たせたかな?ルシファー』


しばらくするとシグルドが息を整えながら俺に話しかけてきたため、俺は読んでいた本を閉じた


ルシファー「待っていたぞ、シグルド

…随分と遅かったな」


そう言うとシグルドは申し訳なさそうにこう答えた


『すまない、ルシファー

王と別れ自由になるまでに時間がかかってしまった』


…王?


シグルドはただの騎士ではなく、国王の側近の騎士であったのか?


シグルドについては研究所長からただ隣国の騎士、としか伝えられておらず、また普段研究と関係のない事に興味を抱かない俺はこの国の政治の事も国王の顔も、はたまたその側近が誰なのかも知らなかったのだ


ルシファー「…ほう?王、とな…

シグルドよ、お前はただの騎士ではなく、国王の騎士であったか」


シグルドはそれに驚いたような、不思議そうな顔をしていた


『…?いかにもそうだけど…

知らなかったのか?』


ルシファー「知らなかったし興味もない

お前に会おうと思い至るまでこの国に興味を抱いてすらいなかったからな

…なるほど…だからあそこまで民たちがお前の周りにいた訳か…

それにお前に男が近づい後民たちが離れていったのも…あれが国王という訳だな

遠くから見ていただけでは会話がよく聞こえなかったからな…ようやく納得がいった」


『…ちゃんと伝えてなかったこと、申し訳ないと思うよ

…君はそれを知っても、私を友と認めてくれるだろうか』


そう言うシグルドは、寂しそうな、不安そうな表情で笑っていた


俺はシグルドの身分になど興味はなく、ただシグルドという人間に興味を抱いていただけであったため、迷う事なくこう答えた


ルシファー「当然だ

お前の身分になど興味はない

俺はお前という人間に興味を抱いただけでお前の身分に惹かれたわけではないからな」


シグルドはその答えに驚いていたようだが、俺はそれに構わずこう続けた


この男の、本当の顔が見たかったからだ


ルシファー「お前も俺に他の民達に与えているような感情を向けるな

お前の偽りの感情になど興味はない

お前の本当の姿だけを見せろ

…友とはそういう事だろう?」


シグルドはそれにまた驚いていたが、やがて笑顔で「ありがとう」と言った


その笑顔もまた、本当の笑顔のように見えた

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ユウ(プロフ) - あんこさん» あんこ様、最後までお読みいただきありがとうございます!ファーさんがキャラ崩壊してる感が否めませんがお楽しみいただけましたなら幸いです。拙い文にもかかわらずお読みいただき、またコメントまでいただき本当にありがとうございました! (2020年7月30日 19時) (レス) id: 9d1d0ddeab (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 今更ながら一気に読ませていただきました。設定が作り込まれていたりと、とても面白かったです。 (2020年7月21日 0時) (レス) id: 895fb63929 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - のあ´ω`)ノさん» なんと…最後まで読んでいただき、ありがとうございます!分かりづらい話だったと思いますが、楽しんでいただけたようで嬉しいです! (2020年3月8日 3時) (レス) id: 9d1d0ddeab (このIDを非表示/違反報告)
のあ´ω`)ノ(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても面白かったし、通知が来る度に画面に飛びつくぐらいこの小説の更新が楽しみでした。面白い作品ありがとうございます! (2020年3月8日 3時) (レス) id: 4ad0e9371b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユウ | 作成日時:2020年3月8日 2時

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