過去編5 ページ20
その男は俺の言動に驚いていたようだが、ややあって俺の手を取り、笑顔を向けた
ルシファー「…!」
この笑顔は、違う
その笑顔は、作り物ではなく、本当の笑顔だ
…何故?
何故それだけのことで笑う?
そう疑問を抱きはしたが、やがてその騎士−−シグルドは笑いながらこう問うた
シグルド「…我が初めての友よ、名を聞いても良いだろうか?」
…初めての友、と言ったのか?
あそこまで多くの民に囲まれていながら、また騎士の身でありながら、友と呼べる存在はいなかったのか?
もしかすると、あの作り笑いの笑顔は、孤独を癒すための自分への嘘であったのか−−−−?
知りたい
この男が、どんな者なのか、知りたい−−−−
そんな事を思い、気付けば俺はまたこう答えていた
ルシファー「…俺の名はルシファーだ
我が友シグルドよ…今後多くのことを共に語り合い、共感し合おう」
するとまたシグルドは驚いた表情を浮かべた後、俺に笑いかけ、「ああ、これから宜しく頼む、ルシファー」と答えた
その笑顔もまた、本当の笑顔のように見えた
ルシファー「シグルド…お前とこうして出会えた事、未来忘れる事はないであろう
これからお前と話をするのが楽しみだ」
俺はこの男と対等に語り合える事を期待し、そう言った
『私もだ、ルシファー』
シグルドはそれに、また本当の笑顔でこう答えていた
俺はシグルドともっと会話をしたかったが、シグルドは空を見て「もう夜も遅いから時の許す時また話をしよう」と言ってきた
俺はまた、この男とこうして2人で話がしたい
昼に見る作り笑いの笑顔ではなく、この男の本当の顔を見せてほしい
そして俺と、その智慧を以てして対等に語り合ってもらいたい−−−−
そう思い、俺はシグルドにこう問うた
ルシファー「…お前は多くの民に囲まれ、愛されている
出来ることならお前とまたこうして2人で話がしたい
シグルド、次はいつ会える」
そう問うとシグルドは少し考えた後、「では明日、星の輝き始める頃に」と返した
それまでこの男は1人になれないのか
そんな疑問を抱きつつも、俺はシグルドに別れを告げた
ルシファー「ならば明日、またこの場所へ向かう
…ではな、シグルド」
『ああルシファー、また明日』
そして俺らはその場を去り、別れた
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ユウ(プロフ) - あんこさん» あんこ様、最後までお読みいただきありがとうございます!ファーさんがキャラ崩壊してる感が否めませんがお楽しみいただけましたなら幸いです。拙い文にもかかわらずお読みいただき、またコメントまでいただき本当にありがとうございました! (2020年7月30日 19時) (レス) id: 9d1d0ddeab (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 今更ながら一気に読ませていただきました。設定が作り込まれていたりと、とても面白かったです。 (2020年7月21日 0時) (レス) id: 895fb63929 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - のあ´ω`)ノさん» なんと…最後まで読んでいただき、ありがとうございます!分かりづらい話だったと思いますが、楽しんでいただけたようで嬉しいです! (2020年3月8日 3時) (レス) id: 9d1d0ddeab (このIDを非表示/違反報告)
のあ´ω`)ノ(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても面白かったし、通知が来る度に画面に飛びつくぐらいこの小説の更新が楽しみでした。面白い作品ありがとうございます! (2020年3月8日 3時) (レス) id: 4ad0e9371b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユウ | 作成日時:2020年3月8日 2時