第253話 ページ11
『ルシファー…?』
ルシファーは声だけでなく、実際に涙も流していたようで、俺は自分の肩あたりが徐々に濡れていくのを感じていた
ルシファー「俺はただ…ただお前に生きていてほしかった…
ただ俺の隣にいてほしかった…ただ俺の隣で俺と共に語り合い、議論し、対等な立場で日々穏やかに過ごしていてほしかった…
なのにシグルドは国王のせいで俺から離れていった…
俺はそれが許せなかった…だからシグルドから自由を奪う者は全て排除し、シグルドに自由を与えてやりたかった…
なのに俺は…」
『ルシファー…』
宥めるようにルシファーの名を呼ぶが、ルシファーは涙を流しながらさらに続けた
ルシファー「なのに俺は…この手でシグルドを手にかけてしまった…
そしてその生まれ変わりであるお前と出会うためお前の世界に手を加え、お前の周りから邪魔者を排除し、この世界へ連れ出した…
…だが俺は…お前が大切にしていたものを奪っていただけに過ぎん…
…お前の望みを叶えるどころか、二度もお前を手にかける所であった…
…お前を失うような事は、もう二度としたくない…
…っだから…」
『ルシファー』
俺はルシファーを宥めるように呼び、ルシファーの言葉を制した
そしてルシファーの顔を見ながら、こう答えた
『良いんだ…俺は怒ってはいない
きっとシグルドも君の事を恨んではいない…
…だって君、俺が君の放った剣に飛び込んでいった時、守ってくれただろう?』
ルシファー「!!」
ルシファーは俺の言葉を聞き、驚いたような表情を浮かべる
『それで君が俺やシグルドを誰よりも大切にしていた、って事は分かるよ…
本当は手にかけるつもりがなかった、って事も…
だからもう、自分を責めるのはやめてくれ』
俺は笑顔で、そう言った
言い終わるとルシファーは目を伏せ、俺の手を握った
ルシファー「すまなかったな、輝よ…
…俺もまた、あの憎き国王と同じ事をお前にしていただけだろう…
…元の世界へ戻り、自由に生きろ」
ルシファーは悲しそうにそう言っていた
『…ごめんね、そしてありがとう、ルシファー
…君の事は未来忘れる事はないよ
…俺は元の世界へ帰る』
俺はルシファーに、そう静かに告げた
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ユウ(プロフ) - あんこさん» あんこ様、最後までお読みいただきありがとうございます!ファーさんがキャラ崩壊してる感が否めませんがお楽しみいただけましたなら幸いです。拙い文にもかかわらずお読みいただき、またコメントまでいただき本当にありがとうございました! (2020年7月30日 19時) (レス) id: 9d1d0ddeab (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 今更ながら一気に読ませていただきました。設定が作り込まれていたりと、とても面白かったです。 (2020年7月21日 0時) (レス) id: 895fb63929 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - のあ´ω`)ノさん» なんと…最後まで読んでいただき、ありがとうございます!分かりづらい話だったと思いますが、楽しんでいただけたようで嬉しいです! (2020年3月8日 3時) (レス) id: 9d1d0ddeab (このIDを非表示/違反報告)
のあ´ω`)ノ(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても面白かったし、通知が来る度に画面に飛びつくぐらいこの小説の更新が楽しみでした。面白い作品ありがとうございます! (2020年3月8日 3時) (レス) id: 4ad0e9371b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユウ | 作成日時:2020年3月8日 2時