3000年の執着心5 (ページ50)

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第243話ページ50

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ジータの叫び声が、聞こえる

この光を受けたら、どうなる

俺は来るであろう衝撃に、目をつぶって蹲っていた

が、衝撃が来るよりも前に、俺は温かい何かに包まれるような感覚を覚えた

『…？』

俺はその感覚に疑問を覚え、恐る恐る目を開く－－－－

ルシファー「ほう…ようやく現れたか

－－－－ユリア」

『－－－－！！ユリア！？』

目を開くと、ユリアがルシファーの前に立ちはだかって、見えない壁を作っていた

ユリア「…っかは…ッ…」

だがユリアでも耐えきれなかったのか、ユリアは俺らを守りながら、血を流していた

ルリア「！！ユリアさん！？」

ジータ「ユリア！！」

ジータ達もその様子に気付き、その光景を見て叫ぶ

やがて力尽きたのかユリアは俺らの方に近づいて落下し、俺の目の前に来ると苦しそうに倒れ込んだ

『ユリア！！しっかりしろ、ユリア！！』

ユリア「輝…さま…

…私はまだ…大丈夫ですゆえ…」

ユリアがか細い声でそう答えると、ルシファーがそれを見て話し始めた

ルシファー「随分探したぞ、憎きユリアよ…

輝を…シグルドの魂をここへ引き留めるにはお前の力が必要だからな…

…否、より正確に言うならばお前をここで消す必要があるからな…

3000年も俺を愚弄した事、後悔させてやる」

ユリア「ルシ…ファー…」

『ルシファー…君、何を言って…』

ルシファー「お前は知らぬだろうが、シグルドの死後あの男の魂をこの世界より遠いところへ送り込み、お前として復活させたのは他でもないその憎きユリアだ

俺はシグルドを手にかけた後、長い事あの男の魂を探し続けた…だがユリアは俺に魂の場所を悟られぬよう自らの姿を消しあの島を隠した…お陰で俺は探すのに苦労させられたものだ

だがあの憎き黒薔薇の王を手にかけた時、ようやくお前の魂を見つけた…

あの男が最期、俺を止めた時に使った聖剣からな」

『…！！』

ルシファー「だがこの世界からお前の世界へ干渉するには互いの世界に負荷がかかる…

故にこの世界とお前の世界の間に時空の歪みが生まれ、俺は3000年の時が経った今になってようやくお前の世界へ介入する事が叶った…

…そうさせたのもその憎きユリアの所為

故にユリア、お前をここで消す

－－－－輝の退路を完全に塞ぐためにな」

そう言うとルシファーはユリアに向けて剣を振りかざし－－－－

『ユリア－－－－！！』

ユリアめがけて、振り落とした