3000年の執着心5 (ページ41)

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第234話ページ41

王に報告をした臣下からは、隣国へ近づいた兵士達は皆コアに力を奪われて命を落としたため、何が原因となってその戦乱が起きたのかは分からず、ただ隣国が突如戦場と化した事だけ伝えられた

そして私達は作戦を立て、王から加護を受けた者のみで部隊を編成し、1時間後に進軍を始めるという決断に至った

作戦会議が終わり、私は自分の部屋へ戻った

私は臣下から隣国が戦場になったと聞き、ある不安を感じた

隣国というのはルシファーの研究所がある場所である

彼は、無事であろうか…？

何故、突然戦争が起きたのか－－－－

ユリア「旦那さま…」

そう思っている時、旦那さま、とユリアから声をかけられた

ユリアは正装から普段と同じ白い飾り気のない服に着替えており、立ったまま私の顔を心配そうに覗き込んでいた

ユリア「どうかされましたか、旦那さま…？」

心配そうな顔をするユリアに、私は静かにこう言った

『ユリア…よく聞いてほしい

私は王から黒薔薇の加護を受け、聖剣を受け取った

…そしてそれを振るう日が来てしまった』

ユリア「…どういう事ですか…？」

『…隣国で戦乱が勃発した』

ユリア「！！」

ユリアは口元に手を当て、息を呑んだ

『…隣国の戦乱を鎮めるよう我が王から命令があった

私は少しこの王国を離れる』

私は心配させまいとして、笑顔でそう言った

だがユリアは不安そうな顔をしてこう言った

ユリア「本当に、行ってしまわれるのですか？」

『あぁ、私は行くよ

…どうしたのかい？そんな顔をして…』

ユリア「…嫌な予感がするのです

何か、悪いことが起きるような－－－－」

そう言って殊更不安そうな表情をし、私を見つめた

私が戦禍に巻き込まれ、命を落とすと思っているのだろうかと思い、私はユリアを安心させるように、笑顔で宥めるように答えた

『…私はきっと大丈夫だ、必ず帰ってくる』

そう言ってもユリアの目は不安げで、まるで「行ってはいけない」と言っているようであった

だが、そろそろ時間だと思った私はユリアに別れの言葉を告げた

『…もしものことがあれば、その後のことは君に頼みたい

行ってくるよ、ユリア』

ユリア「…いけません、お待ちください…！

どうか行かないでください、旦那さま－－－－！」

ユリアは制止するようにそう叫ぶが、私はユリアを安心させるように再び笑顔を向けて頭を撫でた

そしてユリアの言葉に足を止める事なく、私はそのまま部屋を後にした