3000年の執着心5 (ページ38)

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第231話ページ38

ルシファーと会ったその日以降も、私は忙しい日々を送っていた

そしてある時、私は王に呼び出されて玉座の間へ赴いた

『王よ…話とは一体、何でしょうか…？』

やがて王は私を見ながら、こう答えた

王「シグルドよ…お前は我が国を守る騎士として充分立派に成長した

…故にお前に正式に、黒薔薇の騎士たる称号を捧げようと思う」

『…！！』

私は王からの突然の報告に、驚き息を呑んだ

王は驚く私に構わず、さらに続けた

王「そしてもう一つ…

お前を我が国の騎士として認めると共に我が国の最も重要な星晶獣であるユリアとの婚礼を許す

ユリアもそれを望んでいる…お前とユリアは共に行動する機会も多かった故であろうな

…我が言葉に何か意見はあるか？」

私は頭が真っ白になった

そんな突然、私は自由を失われるのか

私があの青い空や輝く星を見る事が出来なくなる日が、もう来てしまうのか

民達と笑顔で話す事なく、民達から畏れられる存在になる日が、もう訪れるのか

友と語り合い、星晶獣の誕生の瞬間を見る事のないまま、私は王の剣として正式に力を与えられてしまうのか－－－－

王「…シグルドよ、どうしたのだ？」

私は王の言葉を聞きハッと我に帰り、自分の考えを押し殺してこう答えた

『いえ…突然の事で少々驚いてしまっただけです…

何も問題はございません…

…王からの多大なるご厚意に、ただ感謝申し上げます』

王はそれを聞くと満足げに笑い、やがてこう告げた

王「ユリアとの婚礼の儀は1週間後に行わせる…

それと共にお前に黒薔薇の力を授けよう

心得たのであれば下がれ」

『はい…このシグルド、我が王のお言葉を充分に存じ上げました

…では失礼いたします』

そう言って私は王に礼をし、玉座の間を後にした

あと1週間で、私はユリアと結婚し、正式に「黒薔薇の騎士」の称号を得る－－－－

そんな突然の事に、私は運命の残酷さを感じ取っていた