3000年の執着心5 (ページ33)

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第226話ページ33

市民1「シグルド様！！そのお怪我は！？

まさかあの星晶獣に！？」

『ええ、まあ…

それより皆さんは無事ですか？』

市民2「私たちは大丈夫…シグルド様のお陰です！

私達ではどうすることもできなくて…」

市民3「ああ…あの星晶獣、睡眠とか麻痺の効果がある攻撃かましてからブレスしてきてよお…

動けなくされたらこっちも何もできなくて…助かったよ、シグルド様！」

『そうだったんですね…皆さんがご無事なら何よりです』

私は民の無事を確認し、安堵していた

そして民たちと別れた時、ふとユリアが帰る前にこう話してきた

ユリア「シグルド様…

シグルド様は黒薔薇の王のご加護をもうお受けになったのですか…？」

『え…？

いや、まだだよ、ユリア…』

ユリア「そう、ですか…」

『…何故だい？』

複雑そうな表情を浮かべるユリアの様子が気になり私がそう問うと、ユリアはやがてこう話し始めた

ユリア「いえ、あの星晶獣の事ですが…

確かに民たちの言う通り、攻撃を仕掛ける際に私達が動けなくなるような弱体効果を出してから攻撃を仕掛けてきておりました…

私もあの星晶獣に見つめられ、身動きが取れなくなって避けるのが遅れてしまいまして…おそらくは魅了か石化の類と考えますが…

…ですがシグルド様は黒薔薇の王のご加護をお受けになっていらっしゃらないのに何ともなかったとなると…

シグルド様は星晶獣からの弱体を受けづらい体質をお持ちなのですね…」

『…！！』

ユリアにそう言われ、私はそのことに初めて気付いた

言われてみるとこれまで多くの星晶獣と出会いはしたものの、中には危険なものも多かったはずなのに自分の身には何も起きていなかったように思えた

今思えばそれは何かをされていても体に異常がなかったために気が付かなかっただけなのかもしれない、と感じた

ユリア「まあシグルド様がご無事なら良いのですが…

…王はそれ故にシグルド様の事を騎士としてお選びになったのかもしれませんね…

星晶獣を撃つ剣として、星晶獣からの効果を受けづらいというのは利点になりますゆえ…」

ユリアはそう言いながら、腕を広げてその間から光を生み出し始めた

ユリア「戻りましょう、シグルド様

－－－－我らの魂は我が愛しき王国にあらん事を」

そして私はユリアと共に、王国の城へ戻った